第22話 どエルフさんと輪
「エルフ族の乳輪は歳を重ねるごとに大きくなっていって、その皺の数でだいたいの年齢が分かるというのは本当なのか?」
お昼時。
いったい何を見てそう思ったのか、男戦士が唐突にそんなことを言い出した。
いつもならば、男戦士、あるいは
しかしこればかりはエルフの表情のが、先に固まることになった。
何を言っているんだ、お前は、と、ばかりに。
「何を言っているんだ、お前は?」
「いや、人づてに聞いたのだが」
「食事中なんだけれど」
「気になり始めたら仕方がなくって」
怒髪天を突くとばかりに怒りを肩から発して、相棒を睨むエルフ娘。
そんな彼女の表情をきょとんと見返す男戦士。
「あ、その話なら、私も聞いたことがあります」
ちゅるりちゅるりとパスタをすすりながら、しいたけお眼目をぱちくりさせて、話に割り込んできたのは女修道士。
いや、聞いたことあったら困るんだけれど、と、エルフ娘は聞いたことのない自身の体の特徴に困惑した。
「森の精霊とも呼ばれるエルフ族は、その生態も森の木々にそっくりで、体の節々に樹齢のように皺が現れるとかなんとか。乳首に現れるというのは初耳ですけど」
「現れません!! 迷惑な迷信ね、いったいどこ発信なのよ!!」
噂の出所が分かり次第、魔法でぶっとばしてやる、と、意気込むエルフ娘。
しかしなぁ、と、そんな彼女に向かって男戦士が問いかける。
「やはり実際に見てみないことには、なかなか信じられないな」
「なんでそうなるのよ!!」
まぁ、別に俺が見るとは言ってない、と、男戦士。
ほれここに女修道士が居るではないかと指をさせば、なるほど、と、女修道士が手を叩いた。
自分の代わりにエルフの乳輪を確認してくれ、と、いうことだろう。
女同士ならば、恥ずかしくない――というものでもないが。
「――わかったわよ。まったく、ほんと、馬鹿なんだから」
言っても分からないのがこの男戦士である。
観念した様子で、娘エルフは木の陰へと隠れると、ちょいなちょいなと手を振って、そこに女修道士を手招きした。
しばらくして。
ほくほくとした顔して、女修道士が木陰から帰ってきた。
続いて、少し頬を赤らめて、女エルフが彼女の背中に続く。
「どうだった?」
「えぇ、まぁ、慎ましやかなモーラさんの胸にお似合いな、桜色のぽっちが――」
「ちょっと、乳輪の話はどうしたのよ!?」
桜色の、ぽっち、と、呟いて、衝撃を受ける男戦士。
つまり、と、尋ねた彼に、女修道士は親指を立てた。
「三百路処女間違いなしです!!」
「ちがうわよ!!」
「三百年も処女を守り続けるなんて!! なんていうか、エッチじゃないはずなんだけれども、すごくエッチな感じだ!! 流石だなどエルフさん、さすがだ!!」
「だから、違うって言ってんでしょ!! いや、違わないけど――って、うがぁーッ!!」
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