私立ウァーゲン女学院

継続フミ

第1話ファーストドライブッ!

「私の名前は三美詩 蘭(みつひし らん)、女子校に通う普通の18才、最近車の免許のために、自動車学校に誕生日の一ヶ月前から通っていて、今日が本試験の日」


蘭は本試験が行われる、免許センターの二階、本試験会場でテスト用紙が順番に回ってきているのを、緊張で鼓動が高まる中、じっと待っていた。

そして、テスト用紙が回ってくると筆箱から三菱と書かれた鉛筆を取り出し、試験官の合図とともに、テスト用紙へ鉛筆を走らせる。


「タイムは30分、ここでベストを尽くさないと、私の今まで努力してきた事が無駄になる!」


蘭は自分にそう言い聞かせ、手を休める事なくただひたすらに、解答欄を埋めていく。

そして時間はあっという間に過ぎ、試験終了時間を迎えた。


「ふぅ〜、なんとか全問解答出来たけど、手応えなしか〜、後は神頼みと行きますか」


一息つくと、蘭はテスト用紙を試験官がいる教卓へ起き、試験会場から出た。

階段を降り、エントランス正面の、大きなモニターの前へ歩み寄る。

後は結果発表を待つだけとなった、蘭はとてつもない緊張感に襲われ、手のひらから、今まで経験したことのないほどの汗をかいていた。

そしてついに、その時が来た、モニターに映しだされた、いくつもの番号の中から自分の試験番号を探し出す。


「えーと、430…430ーっと……、……ッ!!!」


蘭は自分の番号を見つけると、一気に緊張がほぐれ、感情のままに叫んだ。


「ッシャーオラァ!!」


まさにそれは勝者の雄叫びだった、蘭の叫びはエントランス中に響き渡り、周りがざわつく中、人機は目立っていたに違いない。

喜びのあまり、男勝りに叫んでしまった蘭は、恥ずかしくなり、その場を逃げるように離れた。

そしてついに念願の免許を、手に入れ、テストの結果を見た蘭は唖然とする。


「あ、危なく不合格になるところだった、あと一問間違えてたら、悲しい現実が私を待ってたのね、アッ、アハハハ…」


蘭は冷や汗をかきながらも、合格した事への、達成感と安心感をしみじみ感じるのであった。

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