227 緑の戦士 花の騎士るか

1997.02/角川書店

<電子書籍> 無

【評】 う


● (面白くは)ないです


 植物の世界に召喚された花の騎士となったるかは、フロラ姫をさらった四人組に遭遇するが――『緑の戦士』第二巻。


 自称ゲーム風ファンタジーの二巻目。

 息子のゲームを後ろで見てるだけでやっていないと言い放つだけあってゲームのツボをまるで抑えていないだらーっと移動しているだけの一巻目に比べると、モンスター的なものもあらわれ、敵グループとも遭遇し、ピンチから脱出して罠を仕掛けて戦うなど、ちゃんとラノベ的なことをしているため、ずいぶんとまともな作品となっている。それでも一般的な作品に比べると展開は遅いし文章もやや乱れがちではあるが、目を覆いたくなるようなひどい部分は見当たらない。

 が、では面白いのかというとそんなことはまったくなく、ドキドキもワクワクもなく、メルヘン的なうっとりもできず、キャラも可愛くなく、アクションも派手ではなく、知恵を働かせているわけでもないため、普通にいまいちな作品である。

 栗本薫の作品はひどい作品は多いが「ひどくはないけど面白くない」という点ではこのシリーズはダントツである。ダントツの空気である。美少年が出てきたのにろくに出番もなく邪魔にもならないというのも含めて、本当に稀有な空気っぷりである。

 よって特にレビューで書くようなことはない。こういう作品は逆に困る。おかげでこのレビュー自体も(面白くは)ないです。

 唯一、植物だらけの世界で放火が起こり大火事が……というところで引いているところのみは評価できるか。このシリーズ、雑誌連載だったからいちおう引きだけは毎回あるんだよなあ。

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