113 ピラミッド・ミステリーを語る(共著:吉村作治)
1987.11/朝日出版社
【評】うな
●作治のキチガイ自慢がたまらない
ピラミッドとその調査方法について、栗本薫が吉村作治にインタビューした本。
吉村作治のピラミッド話を薫「へぇーへぇー」と聞いているだけで、別に栗本薫である必然性は微塵もない本だった。
なんでこんな本出したんだろう?と思っていたら、このレクチュア・ブックスというのは、専門家に作家が話を聞くシリーズなのね。
専門分野的には素人同然の作家が質問することで、質問内容が読者に近いレベルになるし、共著にすることによって作家のファンにも購買させようという、一石二鳥な企画だったんだろう。ついでに作家も興味ある分野について勉強できるし。
内容に関しては、そりゃ日本におけるピラミッドの第一人者吉村作治だし、わかりやすくそして丁寧で、ところどころちょっとおかしい感じだった。ので、作治ファンやピラミッド好きには嬉しいと思うが、しかしその一方でやはり三十年前の本だから研究が古いわけで、いま読む価値を見出しづらい本ではある。
そもそも自分はそんなにエジプト文明に興味ないので、豊潤に用意されたピラミッドの写真や図を流し見てしまったし、説明もわりと右から左だった。基本、学術書なので興味のない人間が読む本じゃねーなー、やっぱり。という当たり前な結論にいたるのであった。
ただやたらと「僕ははじめから気が狂ってるから大丈夫」と主張したり、「人類は滅びますね」と断言する作治が愉快な本ではあるので、薫ファンではなく作治ファンにおすすめしていきたい。
しかしなぜ小説ではないのに中島梓名義ではなく栗本薫名義なのか……薫の名義使い分けには謎が多い……。
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