第3話 近づいた僕の夢物語

乗り越える強さがここにあって僕と僕同士がわかりあって見つけた本当の自分。


目を開けた時、僕の視線の先には仲間が居て変われた僕の目を見て悲しそうにしている。伝えたかった思いも隠し通してきた、けど今はそれを伝えなきゃ…。


「ごめんな。僕思い出したよ、君たちのこと昔のこと全部。」

胸の痛みが忘れかけていた時間を遡り辛さや苦しさが募るばかりに涙が零れる。

「おかえり…みなみ!」

言いたいことがあったように思えた。

けどほっとしたような顔で僕に「またあの時みたいに仲良くできるね」と言わんばかりの笑顔をして涙を堪えていた。


「遅いだよ、お前はいつも。いっそ記憶が全部消えてしまえば良かったのにな」


相変わらずだ。岳は僕に向かって毒舌を吐く、昔僕が1人の時岳が話しかけてくれて仲良くなった。毎日が遊園地にいる気分で時に仲間を連れてきて一緒に遊んでくれた。

「お前つまんないしキモイ近寄んなみなみ菌が伝染る」

定番のいじめに俺は微動打にしなかったが胸がすごく苦しかった。

でも岳が言ってくれた。

「こいつが醜くてつまんないならコイツをお前らは虐めないだろ?嫉妬なんだよな?菌とかなんとか言ってる奴は俺が喧嘩受けてやるよ」

あ、はい。なんかよくわかんないけど岳は僕の為に自分の力を代わりに大きな盾になってくれた。

それから岳は僕に言った。

「悪口とかちゃんと流さなきゃダメだぞ!

しっかり受け流せ!強くなれよ!」

「うん!」

これを堺に岳は僕に対して毒舌になり

そのうち毒舌少年になってしまった。


「僕に毒舌吐くなんてそろそろ辞めよ!?案外傷つくんだからな!?それもう治そ!?」

「あ、何お前まだ受け流せられねぇの?ちーっとも成長してねーなバーカ」

「ふ、二人とも喧嘩ダメでしょ!?アホ!」

いつもどおり…?いや、そうなんだ。

そうだった、僕のいつもはこうだった。

じゃあこれもいつもどおりなのかな。

「星空メモリーズ…」

俺は言った。そして岳と雪菜が続いて

「僕と…」

「君の…」

俺は胸を膨らませるように大きく息を吸いこの場所から目の前見える月に手を伸ばし。

「世界系物語-未来想像図」

そうだ。これが…。僕ら皆。

「星空メモリーズ」俺達なんだ!


「ぐぅ…ぐぅ…」

チリリリリン「(;・д・)」

あ、朝だ。あ、いや、まだだ。

まとめて芦田まなだ!

まだ夢か…二度寝しよ…。


どんどんどんどん!

どんどん!どんどん!

「こんな朝から誰だよ!」

あれ、桜木の声がする…

ん!?これどっかのホラゲとか映画で見たぞ?

青牛?そうだ…青牛は人を食い真似ができるんだ。まさかあのドアを開けたら…

「みなみ!みなみ!開けろよ!起きてるんだろ!」

「く、来るな!怖い!いやキモイ!牛は食われてろ!!」

ガチャ。

「お前何いってんの?」

あ、あれ普通の桜木じゃないか

「いや、岳達から話聞いてさ 記憶戻ったんだって!?」

「〇△□×÷☆◎!!」

「ごめん何言ってるかわかんない」

「ごめん俺も今のはわかんない」

「そっか」

「うん、そうだ」

「笑笑笑」

久しぶりに2人で笑いあった。

てか岳達と連絡とってたんだな、あれ?どうやって家に入ったんだ!?

「あのさ…この前はごめん、あとお世話とかしてくれてありがと。聞きたいんだけどどっから家入ったの?」

「ピッキング」

「は!?」

「いやぁ嘘だよ!合鍵だよ!合鍵!」

待て、それでもだいぶ問題だろ。

「なんで持ってんの?」

「多分お前の友達皆持ってると思うよ?この前妹が俺達に渡してきたから」

ドアの隙間から笑い声が聞こえた…

超腹が立つけど無視することにしよう。

部屋にたまたまあったボウリング玉を転がしドアを貫通させスネにClin hitさせた。

「痛った!」

うししし笑 ざまぁないドア弁償してもらお。

「桜木さまたみんなで集まらないか?」

「でもあいつはもう居ないんだぜ?」

「いいんだよ俺達の夢叶えなきゃ」

「お前が言うならそれに従うよ」

「ありがとな!」

時が流れてこれでよかったなんて思った事は1度も無かった。

1度もないと思ってそれを避けていたんだと思った。

幸せは近くにあって夢は自分の中にあって眠ってる自分を覚ますのはやっぱり自分自身でそのきっかけを作るのは仲間であった。

いつもその代償を考えてちゃいつになっても変われない。

限りなく近くにあるその鍵を逃してはならないだろう。

「なーんて笑」

考えてみりゃそんなことも自己満足や思い込みとでしか認識されないよなぁ

桜木と僕はゆっくり自転車を漕ぎいつも通りの道を通り大通りへ出た。

「あれ?今日は居ないのかな…?」

「いつも通りそこにいるとは限らないだろ?」

桜木は少し冷たげにそう言った…


「まだかな!?もーちょっとかな!?」

「お前はしゃぎ過ぎだろ もう来るってあいつ言ってたし」


「またみなみに会えるんだね!」

「そうだな お前の為に呼んだんだぜ 帰ってきたことまだわからないみたいだから」


「桜木どこ行くの?」

「あー雪菜の家だよ 呼びにいこうぜ 岳も来てるはずだよ」

「わかった んじゃ飛ばしてこうぜ!」

「おう!」


…こんな話知らないよ。

1人もかけちゃいけない…

とめどなく流れていく物語に僕は目を背けた。


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