第31話 手術着
地球の本社からの指示を待つ間はキッチンのモニターで監視カメラ映像を見ていた。
第三体育館の冷凍睡眠装置から出てきた美女はグリーンの手術着を着ている。
彼女は細身の体のため大きめの服のスソを縛っている。
動きにくいためか彼女はズボンを脱ぎはじめた。
緑のワンピースのようになった上着からスラリと白くて長い足が伸びた。
第三体育館の室温が寒いためか彼女は宇宙服を着だしている。
船外活動用の宇宙服は壁の収納に複数準備されている。
最近の宇宙服はスリムなデザインが主流だ。
しかしこの輸送機ゼラニウムはタフな長期間の活動が予定されている。
そのため宇宙服は全て耐久性重視の特別ぶ厚い作りになっている。
小さな隕石の衝突から体を守るため耐爆スーツのようなデザインだ。
ハルカワ「寒いのかな?」
俺「少し冷えるかもな。第三は。」
初期の宇宙服はなんと一人では着れなかったらしい。
今ではどのスーツも一人で着脱が出来る設計だ。
素人でもスーツ内側の説明書きを読めれば一人で着ることが可能だ。
お、彼女が宇宙服を着おわった。
ヘルメットはかぶっていないが、これで冷えは耐えられるだろう。
ハルカワと交代で寝ているうちに地球の本社からの通信が来た。
通信内容に大量の情報があったので人工知能の紫さんに整理してもらっている。
その中で最優先の指示が二つあった。
①彼女は隔離しなければならない。
②もし同室している場合はすぐに他の区画に避難すべきである。
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