「トゥームレイダー」
今回紹介するのは「トゥームレイダー」。日本ではマイナーなゲームかもしれないが、海外では非常に人気であり、ゲームで1番活躍した女性だとかなんだとかで、主人公がギネス記録を持ってたり。
今回は初代「トゥームレイダー」の話しではなく、「トゥームレイダー」シリーズについて。
「トゥームレイダー」シリーズ初の作品トゥームレイダーは、1996年にイギリスのゲーム会社コアデザインから、PS用(PC版もあったような)に発売されたアクションアドベンチャーゲームだ。当時としては珍しいゲームジャンルであったろう。
概要としては。
美しさと気高さを兼ね備えた考古学者、ララ・クロフトが、世界各地の遺跡に眠る秘宝を探し求め、大冒険をする……という、ハリソン・フォード主演の映画で聞いたことのある内容だ。それもそのはず、このゲームはあの映画をモチーフにして作られた。主人公も当初男性であったが、それではあまりにもイ◯ディ・ジョーンズなので、女性になったのだとか。
ゲーム内でやることもインディ・ジ◯ーンズと大して変わらない。遺跡の仕掛けを解き、襲いくる獣を退け、時には怪物と戦ったり、時には奈落に落ちたり……手に汗握る大冒険が繰り広げられるのだ。
ではトゥームレイダーの感想を。
PSトゥームレイダー(初代プレイステーションで発売されたトゥームレイダーのタイトルの総称)は、まさに死にゲーの名に相応しいゲームであろう。
操作ミスして落下で即死、初見殺しの仕掛けで即死。PSトゥームの死因は大体こんなものだが、この数が圧倒的に多い。多過ぎる。死んで死んで死にまくる。
なぜそんなにも死ぬのか。理由は大別して二つある。
一つは画面。当時としてはそう悪くないのかもしれないが、PSトゥームのグラはアクションゲーをやるには荒い。そして画面が暗い。暗闇の中にいると、どこにどんなアイテムや仕掛けがあるのかさえ、全然わからないのだ。必然、操作ミスも増える。
そして一番の理由は、操作性だ。
PSトゥームの操作は難しい。わかる人にしかわからないだろうが、初代「バイオハザード」の操作性にジャンプや掴みなどのアクションを加えた、激ムズ操作だ。飽きっぽい人なら、操作を覚えるチュートリアルの段階でゲームを投げ出すだろう。
ではなぜ、トゥームレイダーは世界でこんなにも愛されているのか。
それは、あり得ないほどの作り込みと自由なゲームスタイルだ。
ゲームに出てくるステージはいずれも作り込みがすごい。PSのゲームであそこまで細かいところにまで気を配って作れるなんて、驚嘆の極みだ。プレイヤーを楽しませる仕掛け、ダンジョン構成、それらが考えつくされた素晴らしいダンジョンなのだ。作り手の、プレイヤーを楽しませようという心意気が身に染みて感じられる。
それに加え、先ほどdisった操作性もこのゲームに必要不可欠なのだ。難しい操作は、全て探索のリアリティを追求するためのもの。
ジャンプして、対岸に飛び移る時にも、ギリギリで手が届くかどうかの緊張感。それを乗り越えた時の、安堵の吐息。
自分自身が、遺跡を探索するララ様(ララ・クロフトの、ぼくの個人的な呼び方)になるのだ。そこに安心感はない。が、乗り越えた時、生命を実感できるだろう。
作り込まれたステージと難しいながらも自由で緊張感伴うアクションが、リアリティある大冒険を作り出したのだ。それも、PSの時代で。人気の理由もうなずける。
では、現代版トゥームの話を。
浮き沈みを経験し、あわやシリーズ自体の存続さえ危ぶまれたトゥームだったが、なんとか復活を遂げ、見事現代機でもシリーズのタイトルが出された。そこに至るまでいろいろな物語があったのだが、ここでは割愛。
現代機版トゥームでは、現代機の誇る美麗なグラフィックを最大限に利用し、よりリアリティのある冒険を演出している。巨大な遺跡や水の滴る海底の神殿、ジャングルの古代遺跡など、大迫力のステージが特徴的だ。初めてPS3版のトゥームをプレイしたとき、ぼくも大層感心したものだ。PS版からは想像もできないほどの綺麗なグラフィックに、PS版からのファンはトゥームシリーズの進化に歓喜の声を上げたことだろう。
さらに、現代機になることで新たなるアクションも続々追加。PS版ではできなかった多彩なアクションを楽しめるだろう。
しかし、ぼくはイマイチ現代機版のトゥームに満足いかないところがある。
まず、操作が簡単過ぎるのだ。現代機版からトゥームに触れた、もしくは「アンチャーテッド」シリーズのファンの方はそうは思わないかもしれないが、いかんせんぼくの初トゥームはPSトゥーム。
飛び移るときの掴みアクションがない、掴める場所が限られている、着地には補正がかかり、落ちることはまず無くなった。これだけで、全然死ななくなる。謎解きもそう難しくない。
新規のユーザーに易しくするのは大事だと思う、けれど……どうしたって物足りない。
さらにマップ。
これは口には言い表せないのだが……どうにも、マップ自体の魅力が薄まっているような気がする。綺麗にもなったし、奥行きも素晴らしいのに、なぜか。考えてみたが、自由度が減ったからだと思う。
ジャンプして、掴める場所とそうでない場所がある。つまり、行ける道が完全に限られているのだ。そりゃ、PS版のトゥームだって順路があった。けれど、自分のアクション次第でやれることが沢山あり、その点について、作り手側もプレイヤーの意思に任せてくれていた。
現代機版ではそれがなく、作り手の決めた順路にしか行かず、なんだか不自由さを感じてしまうのだ。
やっていることは大して変わらないはずなのだ。
だけど、探索の幅が減ったように感じる。
さらに、戦闘が増えたこともぼく的にはちょっと……トゥームのメインはあくまで探索、PS版でも猛獣や武装した人間との戦闘はあったが、そう多くはなかった。だが現代機版では戦闘にも少なからず重きが置かれている。ぼくは争いたいんじゃない、冒険したいのだ。そこに置いて、ぼくはトゥームとアンチャーテッドとで区別して欲しかった。
さて、色々と批判した現代機版だが、いいところも当然ある。
ララ様が美麗なグラフィックで拝めることだ。美しいララ様を、現代機版の力の限りを尽くして描かれたその姿は、ぼくならずとも感銘を受けるだろう。特に、トゥームは三人称視点のゲームだ。つまり、ぼくがプレイしていて見るララ様のお姿は、基本的に後ろ姿なのだ。つまり、ぼくの視点からはララ様の丸みを帯びた健康的なお尻が見える訳で……情熱を持て余す。
実際、PS版からララ様のお姿の変換を見てきた者には、現代機版ララ様の綺麗な姿は、それだけでプレイする価値があると思わせる魅力があると言えよう。ぼくはプレイ時、ララ様のお姿を見るのが楽しすぎて、十分ほど鑑賞会に時間を使ったほどだ。
さて、そんなトゥームレイダーシリーズだが、現在出ている作品が多過ぎる。よって紹介するのが極面倒だ。てきとーに紹介させてもらおう。
まず、PSトゥームは当然、PSで発売されている。ゲームアーカイブスでも販売されているかも……?
さらに、PSトゥーム「1」「2」に限っては、iOS版も存在している手軽になったトゥームの世界を楽しめるだろう。
PS2版では初代トゥームのリメイク作品が出ている。ほかにも出ている?知らんね。
Xbox 360、PS3でも多数のタイトルが。さらに、つい今月、Xboxoneかなにかで独占販売していたシリーズ最新作、「ライズ オブ トゥームレイダー」が、PS4でも発売。圧倒的グラフィックにより作り上げられた次世代のトゥームを体験してみて欲しい。
今回はわりと上手く悪口を言えた気がする。今度からもがんばろう。
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