第81話 聖獣の眠る島――聖竜クゥーエルの復活

 ヴァネッサに案内されて、海賊船は伝説の聖獣が眠るであろう島へとたどり着いた。

 地図で見るところ、この島はアルノームとグランフィードのある島と、オーファルダム大陸を斜めの線で結んだちょうど真ん中辺りに位置している。

 周囲を海に囲まれた絶海の孤島は、外から見る限り手つかずの自然が残されているように見えた。島自体の大きさは、相当小さいアルノームの国土よりもさらに小さい。おそらく三分の一ほどか。これならば、ヴァネッサが見たという神殿まではそう時間もかからんだろう。

 しかし話に聞くと、以前はこんな場所に島はなかったはずだとヴァネッサは言っていた。

 もしかしたら、オーブを六つ集めたから島が現れたのかもしれん。そんなわしの憶測に、女子たちは「そうかもしれない」と言って、どこか緊張したような面持ちでなぜか船室へと入っていく。

 先に下りていてくれ、とのことだったので、わしは先に下船し島の大地を踏みしめた。

 すると、ザラリとした嫌な空気を肌で感じたのだ。こいつは歓迎されていないらしい。

 ヴァネッサが言っていた通り、この島には魔物がいる……。


「――待たせたな、おっさん」


 大きく息を吐き、気を引き締めようとした矢先に聞こえた声に振り返ると、皆の装備が変わっていることに気づいた。


「お前さんたち、新調したのか?」

「うん。みんなロクサリウムから変えてなかったしね」

「私はディーナ神殿からでしたし。あの服気に入ってはいたんですけど、この先のことを考えると能力的に新調するのは止む無しかと」

「アタシも京に帰った時にお師匠に頼んで、妖気を込めた装束新しく作ってもらったんだー」


 わしは改めて女子たちの容姿を見やる。

 ライアは以前の黒からさほど色に変化は見られないが、その鎧の左肩には獅子の頭の意匠が際立っていた。いまにも咆哮を上げそうな雄々しい獣だ。そして見た目的に前のよりも動きやすそうだった。


「……しかし、どうせならわしはビキニアーマーがよかったな」

「あんな脳筋戦士なんかと一緒にすんな」


 いつか聞いたセリフに懐かしさを覚える。

 わしからすればまだゴツイが、ゴツゴツはしていないというか……まあそんな感じ。これはこれでライアに似合っているから、別に良いがな。

 そしてソフィアもパンツスタイルのバーテンのような服からあまり変わりないように見えるが……。着用しているジレから、なぜか紫色のオーラのようなものが立ち上っていた。


「その光は一体……」

「これですか? これは世界的にも珍しい闇を糧に生きる蚕の繭から紡がれた、野蚕糸で出来たジレですわ」


 聞けば着用者の闘気に反応し全身を闇で覆うことが出来るという。属性魔法を軽減することが出来、特に闇の魔法に関してはすべて無効にするそうだ。

 さすがにブルマは無理だったか。あれは防御力もほぼ皆無だしなぁ、至極残念。

 クロエはというと。

 相変わらず魔法使いらしい丈の短いローブではあるが、こちらは黒から一変。まるで青いオーロラのように美しく煌く衣だった。見ようによっては青い炎のようにも見える。そう、それはロクサリウム王家の象徴のような。


「……王家の魔法衣なんだけど、どうかな?」

「やはりそうだったのか。よく似合っておるぞ。黒もよかったが、やはりクロエはロクサリウムの王女なのだな」


 素直な感想を口にすると、クロエは少し照れたような顔をし真っ黒いマントを羽織った。バサッと翻った黒の波間に青が見え隠れし、それが揺らめく蒼炎にも見え、この服を着るクロエの決意と覚悟を垣間見た気がした。

 そして「ふふん」と得意気に胸を張る楓に視線を転ずる。

 玉藻に新しく作ってもらったという忍装束は、花の刺繡が施された青紫から一転。気持ち艶のある白地に淡いピンクの桜が咲き乱れる、可憐で絢爛なものだった。髪には以前ジパングでプレゼントした桜の髪飾りが挿してあり、動くたびに揺れている。

 妖気を込めてもらったと言っていたが、わしには楓の身を案ずる慈愛の心が感じられた。


「どうオジサン?」

「楓はずいぶんと華やかだな。いやしかしお前さんもよく似合っている。前のも良かったがこれもまた……」

「もう、どこ見て言ってんの?」

「いや太ももをだな」


 そう、楓は相変わらず太ももが眩しいのだ。丈が本当にもう危うい短さで、目の前で戦われた日には集中など出来ようはずもないだろう。

 わしはもう一度順繰り女子たちを眺める。

 皆一様に見た目が変化し、レベルに合った物を着用しているのが分かる。

 自身に目を落とすと、ところどころ傷付き汚れたフレイムメイル。ロクサリウムから共に旅してきた愛着ある一品だが、いささか消耗していると感じることもままあった。以前よりも衝撃を受けた時に噴き上がる炎が弱くなってきたのだ。

 これから先の戦い、この鎧では厳しいものがあるやもしれん。

 しかし、わしは戦い抜いてみせる! 女子たちを守り切るためにもな。

 決意新たに顔を上げると、女子たちが見慣れない白銀の物体を持ち上げていた。

 ライアは胴部、ソフィアは腰部、クロエは腕部、そして楓は脚部のパーツだ。

 どうやら甲冑らしいソレは――


「お前さんたち、どうしたのだそれ?」


 否。わしはソレを見たことがあった。

 オーファルダムはロスバラスの防具屋、150000Gの値札が掛けられていた、まさしく『アールジェラの鎧』だったのだ。


「勇者がいつまでも弱い装備じゃ示しがつかねえだろ」

「日頃の感謝を込めて、私たちから勇者様へのプレゼントですわ」

「みんなで分けたお金と、わたしたちのバイト代で買っておいたんだよ。決戦用にね」

「あ、オジサン用にちゃんとお腹周りとか加工してもらってるから大丈夫。安心して着られるからねー」

「お前さんたち……」


 いまにも涙がちょちょぎれそうだった。

 わしのことを想い、わしのために買ってくれたのだ。しかも加工済みだという親切。金額に応じて加工料も上がるため、けっこう馬鹿には出来んというのに。


「すまん、恩に着る。……そしてお前さんたちをわしの正妻に迎え入れることを今! ここに約束しよう!」

「鼻たれてんぞ。ったく、馬鹿言って泣いてないでさっさと着ろよ、聖獣迎えに行くんだろ?」

「うむ、まずはそっちが先だったな――」


 後先の話じゃねえんだけどな、そんなライアの呟きを右から左へ流しながら、わしは涙を拭き手早く衣替えをした。

 加工は寸分違わぬ正確さで、きっちり測ったようにフィットする。太鼓腹の丸みのカーブなど実に美しく、着ていて気持ちいいほどだ。

 唐草などの浮彫を施された表面は陽の光に照らされて、まるで朽ちることのないレリーフのように輝いている。


「よく似合っていますわ」

「そうだろうそうだろう」

「じゃあ早速行こうよ、聖獣の神殿に!」

「よし、では行くか!」

「女神のペット探しにレッツゴー! だよオジサン」

「わはは! 探す手間はないがなっ」


 そうしてわしらは船をヴァネッサたちに任せて、島の中央を目指すことに。

 道なき道を行くのかと思っていたが、しかし草原にしっかりと道が刻まれていた。それは途中から崩れた石畳へと変わり、そんな折に突然魔物が現れるようになったのだ。

 今までに見たことがない魔物ばかりで、その種族や攻撃は多様だった。

 腐敗したオオトカゲは毒の霧を吐いてきたり、複数本の腕を持つ甲冑の剣士はみじん切りや剣閃を放ってきたり、転がっていた裸体の石像は突然動き出し石ころ投げつけてきたりと、苦戦という苦戦はしなかったがとにかく面倒くさかった。

 聖獣が眠るということは、ここは聖域のはずだ。なのにこんなにも魔物がいる。

 世界の混沌とした秩序の乱れの縮図を見ているようだった。

 それもこれも魔王がいるから悪い、全部悪い。

 わしは急く足で、けれどしっかりと大地を蹴りやがて森を抜け、皆とともに魔物を蹴散らして――


「ようやくここまで来たな」


 聖獣の眠るその神殿にたどり着いたのだ。

 神殿は思っていた以上に小さかった。敷地面積的にはディーナ神殿の五分の一、いや六分の一ほどか。大きな東屋といったような形で、想像していた神殿とはいささか乖離がある。

 外から眺めていても仕方ないので、皆とともに重たい鉄扉を押し開けて中へ入ってみた。

 内装は至ってシンプルだ。凝ったものなどほとんどない。真白い壁、建物を支えるための大きな柱が何本かあり、日光を取り込むための大きな窓が等間隔に開いている。奥には崩れた小さな祭壇らしきものが置かれ、そして手前には一段低い円形の窪み。その中に、ヴァネッサが言っていた魔法陣が描かれていた。


「あれが例の魔法陣か」

「神殿の大きさの割に、魔法陣はずいぶんと大きいわね」


 状況を冷静に把握しながらも、周囲への警戒を怠らないライアとソフィア。

 そんな二人とは対照的に、珍しいものを見つけた好奇心から駆け出したクロエと楓が、揃って魔法陣を見下ろすと、


「勇者さん、あったよ窪み」

「でも一つ多いみたい」

「なにっ?!」


 その言葉に、急ぎ確認しに向かう。

 魔法陣の頂点には窪みが計六つ、これはヴァネッサの話の通りだ。しかし、六芒星の中心、正六角形の中央に同じような窪みがまたあったのだ。

 集めたオーブは六つだけ――


「これでは一つ足りないではないか……」


 ここまで来たのに、また探しに行かねばならんのか。

 ある種の落胆と、皆とまだまだ旅が出来る喜びとがない交ぜになった、よく分からない感情が胸中に渦を巻く。

 と、


「ん? ……あれは――」


 周囲を見渡していた楓が、何かに気づいた。

 どうやら祭壇の方らしく、歩いていく楓の尻を眺めながらわしもついて歩く。

 すると急に立ち止まり、「見ぃつけたっ」そう言ってしゃがみ何かを拾い上げた。

 振り返った楓が手にしていたのは、黄金に輝く球だ。


「まさかっ!?」


 わしは反射的に腰鎧を外し、ズボンを引っ張りステテコの中へ手を突っ込んだ!

 慎重かつ迅速に弄ると……二つの玉にしかと触れたのだ。


「ほっ、付いていたか」

「――なわけあるかよ」

「あいたっ」


 久しぶりに鞘で頭部を小突かれた。王冠がないため、ずれたのをいちいち直さなくてよくなったのは楽で良い。

 わしは腰鎧を再び装着すると皆に向き直る。


「……おそらく、この金玉はオーブで間違いないだろう」

「訳知り顔でなにを言うかと思えば。そんなことはみんな解っていましたわ」

「そんなことより勇者さん、オーブに触れる前に手を洗ってね」

「むぅ、それは致し方ない」


 まあここで好感度を下げるわけにもいかんからな。

 手を差し出すように言われ、クロエの水の魔法で汚れていないのに手を洗わされた。ハーレムに入ったならば毎日でも触るだろうに……ちゃんと洗っているからそんなに汚くはないのだぞっ?

 不満を心の中で吐露しつつも、手も綺麗になったところで楓から金のオーブを受け取る。

 そして皆と魔法陣へ戻った。

 すると、オーブに反応するように魔法陣が俄かに輝き始めたのだ。


「ここまで長かったな」

「そうね、いろいろあったけど」

「これでようやく、魔王城のあるネウロガンドへ行けるんだね」

「オジサン、早く聖獣を呼んであげようよ」

「うむ、そうだな」


 わしは道具袋から取り出したオーブを、それぞれの窪みにはめ込んでいく。

 祭壇側を北とし時計回りで――赤、紫、緑、黄、青、銀、そして中央に金。

 最後の一つを嵌めた瞬間、それは起こった。

 魔法陣の線をなぞるように白光が駆け、頂点を結び円をなぞり終えた刹那――眩い黄金の輝きが天井に向かって迸ったのだ。


「のわっ! 目がぁああああ!」


 後ずさり、目を開けていられないほどの光量に瞼を塞いでいると、突然『グォオオオオオ!』というなにかの咆哮が聞こえた。ビリビリと空気が振動するほどの大音声。

 光が収まる頃合いに、目を開けて魔法陣を見やると――


「ど、ドラゴン……ッ」


 絵本でしか見たことがない竜の姿がそこにあったのだ。

 三十メートルはありそうな真白い巨躯に、先端へ向かうにつれ透明になっていく鱗。大小の立派な角は後ろへ向かってわずかに捩れ、美しい顔立ちに凛々しさを添えていた。

 大人しくお座りしていた竜は、突然両翼をバサッと広げると、キョロキョロと辺りを見渡す。ここがどこだか分かっていない様子だった。


「ん? しかしこのドラゴン、竜の翼だけで、鳥のような羽などどこにもないが。どうなっとる? もしかしてこやつではないのか……」

「いや、オーブを集めて復活させたんだ。たぶんこいつで間違いないだろ」

「噂や伝説など、所詮人の又聞きに過ぎませんからね。どこでどう色が付けられているかは分かりませんわ」


 なるほど。そういうこともあるだろうが、しかし勇者の証にはそれらしき物が描かれているのはどういうわけだろうか。

 そもそもこの証は誰が用意したものだろう。ディーナ神殿の過去の神官ならば、いつぞやから誇張されて伝わったものを参考にしたとしてもおかしくはないが。


「――わー可愛い!」

「ね! ちょーカワイイよねー」

「ん?」


 少考している間に、クロエと楓がいつの間にやらドラゴンと戯れていた。

 まるで猫みたいに頬を摺り寄せ、喉をゴロゴロ鳴らす巨体。わしは二人が喰われやしないかと気が気ではない。


「お、お前さんたち、あんまりドラゴンにちょっかいかけると危ないぞ」

「心配しなくても大丈夫だよオジサン、この子悪い子じゃないし」

「そうだよ。それに名前あるんだから、ちゃんと呼んであげなきゃ」

「名前?」


 二人がドラゴンの首元を指さしたので、わしは恐る恐るへっぴり腰ながらに近づいてみる。するとその首には金属のネームプレートが掛けられており、『クゥーエル』と刻まれていた。


「クゥーエル? それがこやつの名前なのか」

「クゥーエル……ならクゥちゃんだね!」


 クロエがあだ名を付けてその首筋に抱きつくと、竜は『クルルルル』と嬉しそうに可愛らしく鳴いた。どうやら気に入ったらしい。

 なんにせよ、こやつの助けがなければあの瘴気の向こうへは行けないのだ。ドラゴンだからとて恐れてばかりもいられんな。わしは勇者なのだから。

 それによくよく見ると可愛いものではないか。女神のペットだという話も頷ける。

 わしはガントレットを外して竜に近づき、その鼻筋を優しく撫でてやる。


「そうだな、こやつも仲間なのだ。というわけでよろしく頼むぞ、クゥちゃんとやら」


 竜は一瞬小さく首を傾げると、なにを思ったのかいきなり口を開け、わしの手をパクリとくわえた。


「ギャアアー!」突然のことでパニックになり思わず叫ぶと、まだ手が付いている感覚がある。「――お、あ……なんだ甘噛みか」

 まるでおしゃぶりのようにモゴモゴと手をしゃぶられ、生暖かい竜の舌の感触と相まって、なんとも言えない微妙な心持になる。

 ややあってわしの手を解放すると、失礼なことに竜は渋そうな不味そうな顔をした。


「なんというやつだ、勝手に人の手を喰っておいてからに。まさか豚足だとでも思ったのではないだろうな?」


 それこそ失礼というものだ。わしは豚ではないのだから。

 自分で言っておいてなんだが、少し惨めに思えてきた。一つ吐息をこぼして気を取り直す。

 クロエに魔法を唱えてもらい、ぬるつく手を洗ってからガントレットを装着した。じゃっかんまだ臭うが仕方ない。

 すんすんと鼻を鳴らしていると「――おっさん、そろそろ行こうぜ」とライアから声がかかった。

 そうだ。わしらにはネウロガンドへ行くという目的があるのだ。


「よし、」


 わしは改めてクゥーエルに正対する。

 真摯な眼差しに気づいたのだろう。クロエと楓に両脇から挟まれていた竜は静かに首をもたげると、真っ直ぐにわしを見返した。

 無垢でつぶらな瞳と視線が交わる。


「クゥちゃんよ、わしらをネウロガンドの瘴気の向こうへ連れて行ってくれるか? 魔王を打ち倒すためなのだ」


 グッと拳を握り訴えると、その想いが通じたのか。竜は再び翼を広げ、『グゥオオオオ!』と猛々しく咆哮を上げた。

 魔法陣から一歩、二歩と踏み出す度にズンズンと大地が揺れる。

 そして神殿の外へやってくると、突然クゥーエルの体が光に包まれた。

 やがてその光が収まると、まるで軍馬のような青い装具を身に付けた勇壮な姿に変化していたのだ。

 羽飾りの付いた頭部の兜と長い手綱は連結され、首元までそれは伸びていた。振り落とされぬように皆へ配慮した長さなのだろう。

 手足と胴を包む防具は目の覚めるような美しい青い金属で、これまた白い体によく映える。

 クゥーエルは地に伏すと、首だけで振り返り『早く乗れ』というような目で見つめてくる。

 わしらは顔を見合わせ頷くと、竜の背に乗った。


「皆の者、準備はよいか?」

「いつでもいいぜ!」

「覚悟は出来ていますわ」

「行こう、みんなで」

「魔王を倒しに!」


 頷き返し、わしは手綱を強く握った。

「頼んだぞ、クゥちゃん!」声をかけると、巨体を起こし大きく翼を広げて竜は飛翔する。


 神殿から飛び立った後、わしらは一先ず海岸の海賊船へと向かった。

 中空でホバリングした竜の背から、船尾楼にてこちらを見上げるヴァネッサに声をかける。


「ヴァネッサよ、わしらはこのままネウロガンドへ向かう! いままで世話になった、ありがとうな!」

「そいつが伝説のドラゴンか、やったなオヤジ! うちの方こそ世話になった。絶対に無事に帰ってこいよ、アンタたちならきっと大丈夫さ!」

「ああ、必ず魔王を倒して戻ってくる。平和と共にな!」

「ヴァネッサ……行ってくるぜ!」

「期待して待っていてちょうだい」

「いままでありがとう、行ってきます!」

「アタシがいれば千人力ってねー。んじゃ、ちょっと行ってくるよ!」


 皆とともにヴァネッサへ別れを告げ、手を振る彼女に手を振り返し――そして竜は上空へと羽ばたいた。

 目指すはロクサリウムの南、瘴気に包まれたネウロガンド大陸だ。

 決戦の日はすぐそこに。

 黒い霧を遠くに望み、手綱を握る手にギュッと力を込めたのだった。

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