第49話 駄女神の堕落酒!
「やっと謹慎が終わった!久しぶりです🎵太陽!」
「いや、今は夜だから!『太陽!』じゃなくて月だから!」
偶然、外に居たら家から飛び出てきたヴィーナスが叫んでいたのでうるさくて思わず突っ込みをいれてしまった。
「あぁ、その突っ込みすら懐かしい!」
そう言って駄女神は嬉しそうに隣にやって来る。
「謹慎って、また何かやらかしたのかよ・・・」
そう尋ねると駄女神は少し不貞腐れた顔で
「またって何ですか、またって!私だってきちんと学んでます。同じ過ちを何度も繰り返えさないから!」
そう言ってこっちを見てくる。まったくどの口がそんなことを言うんだか・・・?
「じゃあ、俺は何度目の異世界転生者だっけ?」
ぼそりと呟くとヴィーナスは
「ヴグッ!」
と言ってその場に座り込み涙目になってしまった。
「ひどい!ひどいわ!私はこんなにも反省してるのにまだネチッこく言うなんて!」
誤って殺されたんだから言うよね普通は・・・?俺は間違ってないよね?
「ウン、ゴメンゴメン、イイスギタネ~(棒読み)」
そういうとヴィーナスは笑顔になりケロッとしてしまいには・・・
「そうよ!私は女神なのよ!もっと誉められて崇め奉るのよ!私はスゴいんだから!」
なんてことを言ってくる。
「それより、謹慎って何をやったんだよ・・・」
話を変えるとしょんぼりした顔に変わり
「ばれた・・・」
「何が?」
「アンタを転生させたことが1番偉くてうるさいジジイにばれたのよ!それでアルテミアには監禁されて反省文を原稿に10万字よ!10万字!フザけんじゃないわよ!」
何だよ、そんなことかよ・・・ってか軽くね?罰が反省文10万字?人を誤って殺して10万字?優しくね?
そんなことを思っていると急に隣のヴィーナス達の家のドアがバンッと大きな音がしたと同時にアルテミアさんが鬼の形相でこちらにやって来る。
「
ヴィーナスは必死にアルテミアさんをなだめようとしているがたぶん逆効果だ、それより気になったのは
「姉様って言ってたけど2人って姉妹なの?」
疑問に思ったのでアルテミアさんに確認をすると
「いや、それは無い!絶対嫌!実はねヴィーナスは妹弟子なの・・・女神として師事を受けた人が同じだったの、だから姉弟子様って呼ばれてるの。それよりヴィーナス、お前はさっき何を言ってたんだ?1番うるさいジジイ?監禁?しまいには反省文なんてフザけんじゃない?ハァ?お前は自分で何を言ってるのか分かってるのか?さっきその事を天界から見て聞いていた妹弟子から連絡があった。私が何を言いたいか分かるよな?さぁ家に帰って、キッチリ、ミッチリ、トコトン話すぞ💢」
ヴィーナス、自業自得だよ!御愁傷様です!
ヴィーナスは
「イヤァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙!!」
と叫びながら家に引きずられていった。
「初夏とはいえ、湯冷めするとアレだし俺も家に入って寝るか・・・」
玄関を開けて家に戻り、寝ることにした。
◆◇◆◇
「起きて」
目を開けるとそこには愛しい妻の顔があった。
「おはようモニカ・・・。ふぅぁ~ぁ・・・、ねぇもう少しこうしてていい?」
そういってモニカを抱き寄せると
「もう、あと5分だけだよ!」
そういってモニカは俺を抱きしめてくれる。
ダメだ・・・、眠くなってきた・・・。
◆◇◆◇
「まったく、このラブラブ夫婦は朝から見せつけてくれますね🎵でも2人とも本当に幸せそうで何よりです!」
時間になっても起きてこないから見に来たら2人とも幸せそうに寝てるんだもん、起こせるわけないじゃん!
「あれ?どうしたんですか?オリヴィアさん」
澪さんが私の後ろから部屋を覗き込んでくる。
「2人ともお疲れみたいですね🎵それにしても寝顔がそっくりですね🎵」
「そうですね🎵今日は寝かしておいてあげましょう🎵」
そういって私たちは部屋のドアをゆっくりと閉めた。
◆◇◆◇
「お前は何をやってるんだ!何だよコレ💢!」
外から大きな声が聞こえて徐々に意識が覚醒してくる・・・。
「コレは※※※※で※※※を作るんだよ!そうすれば師匠もきっと笑顔でOKしてくれるって!」
ドゴォォォォン!!!
何かスゴい音が聞こえたけど何をやってるんだ?不思議に思いベットから這い出て窓際から隣のヴィーナス達の家を見ると・・・。
「何だあれ?」
そこには、お酒等を造る時に使ったりするタンクがあった・・・。
「・・・ハァァァァァァ!!!!!!!!なんでこんな場所にあるんだよ!」
あまりの驚きでつい、叫んでしまった・・・。
「う、うぅぅん・・・。どうしたのライム?」
ゆったりしたネグジェリを着たモニカがベットの上でゴロゴロしながらどうしたのか聞いてくる。
「いや、あの姫様が何かまたやらかすみたい・・・ちょっと行ってくる!」
ベットでゴロゴロするモニカにそういって俺は家の外に行く。
◆◇◆◇
「なぁ、コレ何?」
外にいる駄女神に説明を求めると
「ワインを作るの!作ってあのうるさいジジイを黙らせるんだから!」
うぅ~ん?話の内容がサッパリだ・・・。
「どういうこと?」
再度聞き直すと駄女神はフンスと胸を張って
「ライムはワインとかウイスキーとか樽で熟成させる時の『天使の取り分』って知ってる?」
確か『熟成中に水分・アルコール分が蒸発し、最終的な製造量が目減りする』ことだったと思う・・・。
「そうよ!さすが神の⚪を読んでただけあるわね!そうよ!そのことよ🎵」
あぁ、そっかコイツは人の考えを知ろうと思えばいつでも分かるんだった・・・。俺がコイツのこと駄女神だって思ってるのばれてないよな・・・。
「ドラマ化されて主演が亀⚪で格好よかったからその時の勢いで買って読んでたけどまさか異世界に来てその知識が活かされるなんて思ってなかったけどな・・・」
そんな嫌味をが理解していないのか
「オーナー!よろしくお願いします!」
なんて事を言ってくる・・・。
ん?オーナー?何を言ってるんだ?何で俺がオーナー何だ?
「だって私、作り方なんて分からないもん!」
「ふっ、ふっざけんな!何で出来ないことに大金をかけて設備を作るんだよ!おまっ・・・!マジかよ・・・見切り発車もいい加減にしろよな・・・」
駄女神から渡された領収書には、金貨100枚、期限内に払えなかったらこの町を担保に設備を作った事が書かれていた・・・。
「どうすんだよ!こんのぉぉぉぉ駄女神がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
俺の叫び声は空に虚しく響き渡った・・・。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます