Re :Life -異世界転生したら嫁ができました-

兎神 入鹿

プロローグ

異世界転生は突然に……

義父とうさん、義母かあさん、おやすみなさい」

 そういって俺は自分の部屋に戻る。

義兄おにいちゃん、おやすみ~」

 後ろから1つ年下の義妹いもうと瑠璃るりが俺の肩に手を乗っけながら挨拶をしてくる。


「あぁ~瑠璃、そこちょうどいい、どうせなら肩揉んで、そこメッチャ肩凝ってる」

 そういうと瑠璃は手のひらを俺の目の前に出して手招きをしている。

「何? この手は? 」

 

 後ろに張り付いている瑠璃に声をかけると

「もちろん、無料で瑠璃ちゃんにやってもらおうなんて思ってないよね? 」

 そういって手を差し出してくる。


「えぇー金取るの? じゃあいいよ…それより明日も朝練で早いからもう寝るから…明日も朝練行く前に声掛けるからちゃんと起きろよ! そんじゃおやすみ瑠璃! 」


 そういって俺は部屋に入って行こうとするがまだ瑠璃が離れてくれない。

「いい加減、離してくれないか瑠璃? 」

 背中に張り付いたままの瑠璃に話しかけても反応が無い。


「おいぃぃぃぃ! いい加減にしないとこのまま部屋に連れ込むぞ! 」

 そういって俺は背中にいる瑠璃から離れようとすると、後ろから寝息が聞こえる。

「マジかよ!? 義母さん助けて! 」


 1階にいる義母に助けを求める。

「どうしたの檸檬らいむ? 」

 そういって義母さんがこっちに来てくれる。

「瑠璃が背中で寝ちゃって身動きが取れないです! 瑠璃を離してほしいです」

 

 義母さんに頼むと義母さんはクスクス笑いながら瑠璃を部屋に連れて行ってくれたので俺も部屋に戻りゆっくり寝ることにした。

 ◇◆◇◆

 ガタッガタバサ…。

 どこからだろう、何かが倒れる音や床に散らばる音がする。

 今、何時だよ…。時計を見ると午前3時を指していた。


 こんな時間に何だよと思い部屋のドアを開けて階段の上から1階を見ると知らない男性が2人いて家を荒らしていた。

 ヤバイ…強盗かもしれない。


 俺は自分の部屋に戻り弓道部で使っている弓を掴み瑠璃の部屋にいく。

「瑠璃、瑠璃起きて! 」

 瑠璃の布団を剥ぐとそこにはピンク下着の瑠璃がいた。


「瑠璃、起きろってば! 」

 下着姿の瑠璃を揺すると

「なぁに~義兄ちゃん? 」

 目は閉じたままだが反応があった。


「起きて瑠璃! 強盗が家の中にいた! 早く窓から逃げて助けを呼んで来てくれ! 俺は義母さんと義父さんを起こしにいくから、瑠璃が携帯で助けを呼んでくれ! 」

 

 そういって部屋のカーテンを取り外し2枚を結んで窓の外に垂らす。

「俺が持ってるから早く外に行って! 」

 瑠璃に伝えると瑠璃は

「義兄ちゃんも一緒に行こう、私1人じゃ嫌だ、義兄も一緒にきて」

 と言って泣いている。


「瑠璃、泣いている場合じゃないから早く窓から逃げて! 」

 そういって窓際に瑠璃を押しやり降りる様に促す。

「すぐに、すぐに来てね義兄ちゃん」

 そういって瑠璃はカーテンをつたい外に脱出した。


「さてと、義母さんと義父さんを起こしに行かなきゃ」

 俺は瑠璃の部屋のドアを開けて2人の部屋に向かう。

「義母さん、義父さん起きて! 」


 2人の身体を揺すり2人を起こす。

「どうしたんだ檸檬? 」

 義父が起きて義母も目を覚ます。

「話はいいから、とりあえず窓から外に出て逃げて! 」

 

 そういって部屋のカーテンを取り外し2枚を結んで外に垂らす。

「どういうことだ? 」

 義父は不思議そうにこちらを見てくる。


「強盗が家を荒らしてるんだよ! パッと見

 武装もしてたから早く逃げて瑠璃はもう外に脱出させて携帯で助けを呼んでくれって言っといたから早く窓から逃げて! 」


 そんなことを言っているうちに2階に上がってくる音がする。

「早く逃げて! 」

 義母さんと義父さんも状況が分かったのかカーテンを使って外に逃げていく。


「さてと、俺も逃げさせてくれませんか? 」

 振り返るとそこには強盗たちが銃を構えこちらを睨んでいた。

「おい、他の家族はどうした? 」

 小太りの男が尋ねてくる。


「いや、いないよ・・・近所に逃げ込んだんじゃないかな? 」

 にっこりと笑いながら強盗を見ると銃把で顔面を叩いてくる。


 ゴスッ…

 叩かれた部分から血が垂れてきた。

「くそが! てめぇよくも逃がしやがったな! 」


 そういって強盗は銃把で俺を叩きまくってくる。

 ヤバイ意識が…でも何があっても逃がさない。

 パトカーの音が近づいて来る。


「おい、いい加減ズラかろうぜ! 」

 そんなことを言ってるけど誰が逃がすかよ!

 俺は逃がさせまいと男の足にしがみつく

「おい、クソッこいつが足から離れねぇ

 クソッ、おいこらぁ離せ! 」

 俺は意地でも離さない。

「クソッ、こうなったら」

 ◇◆◇◆

 ここで俺の意識は無くなり辺りは暗闇に包まれた。


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