閑話798・『おにくやわらか2』

おしりがいたい。


へんなおとこにつかまれた。


えさをぶっしょくしていただけなのに。


よるのさかばはだめだな、やわらかいおにくはいない。


でもおさけをのんでるからおにくがやわらかくなっているかも。


「うしとおなじ、ぶたとおなじ」


いわれるがままについてきて。


いわれるがままにふくにてをかけて。


いわれてもいないのにそのすきにぶっころした。


――まずそうなご飯、私はいや。


「おにく」


「おにくのため」


「くふふ」


どんなやつのちでもぬくい。


こんなせいよくしかないやつなのに。


ちのにくさはえるふとおなじ、みんなおなじ。


うつくしいも、うつくしくないも、おとこもおんなもかんけいない。


「おなじ」


あたたかいいきもの。


かんしゃ。


「もぐもぐ」


おさけでやわらかくなっている。


おとこのおにく。


「これはいい」


これはいいぞ。


いいはっけんだぞ。


「どんなまずいにくでもかたいにくでも」


おいしくなる。


おいしくなるぞ。


おれだけのひみつ。


「けぷ」


でも、よ、ようかも。


――あらら。

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