閑話796・『おおおおきく2』
きまぐれだ。
ころさなかったのもきまぐれで。
たべなかったのもきまぐれで、なつかれるどうりもない。
まあ、いしをなげてきたり、ころそうとしたり、むだだけど。
にんげんのこどもではおれはころせないし、そもそもにんげんのおとなでもころせないし。
――殺せなくても、死ななくても、怖い時はあるからね。
「ふふ」
わかれぎわにうらみごとをいわれた。
ありゃつよくいきるな、おおきくなってからくおう。
くうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくう。
くうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくう。
くうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくう。
くうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくう。
くうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくう。
くうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくう。
くうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくうくう。
くうためにいかす。
いきるためにくう。
「あれ」
むじゅんなような。
むじゅんでないような。
そのじてんでむじゅんなような。
「おおくくなって」
「おおきくなって」
にくはおおく。
からだはおおきく。
たべごたえあるように。
「くふふ」
それがいい。
それがいちばん。
みのがしてよかった。
―――殺しに来るだろうに、良かったってどうなんだろ。
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