閑話721・『おしえておいしい2』

ぐるるるるるるるるるる。


いきているとおなかがすく、たべられるものがかぎられている。


あわればいきものなのでせんようのえさがいります、ないとしにます。


―――だから食べれる時に食べないとねェ。


「おなかがへりました」


おなかがへったのでちまたをさまよいます。


ちまたとはもりです、もりのなかをさまよいます。


けものはいるけどおなかにはいってもむいみです。


ひとがたでないとむいみなのです。


しってる―――忘れる癖に。


「ひとがたってどんなかたち」


わかんなくなった、よつんばいはひとではない。


でもよつんばいになれるのだからひとでもある。


むずかしい、けものとひとがたのちがいをだれかおしえて。


「おしえて」


とにかくつかまえたこれ。


さけんでいるが、ひとのことばか、けもののいかくか。


わかりません、わからないときはわからない。


わかるときはわかるよ。


「なんなのさ」


どっちなのかわからない。


おしえて。


おしえて。


おしえて。


おいしそ。


おいしえれ。


お。


おいしそう。


おいしそう。


「うまい」


ひとがただ。


くえばわかる。


―――結局それェ。

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