閑話717・『ひとつじんかく2』
えるふはみりょうできる。
でもにんげんはできない、えるふなようそないとむり。
すのかわいさでみりょうするしかない、すがかわいいもの。
だいじょうぶ―――大丈夫かなァ。
「えるふよりむずかしい」
なやむ、おんなのこのきょうならどんなやつもいっぱつでみりょうする。
おれもそうしたい、でもおれはおとこなので。
むずかしい―――女の子だよ。
「きょうみたいにかわいくなりたい」
おれだけどね。
おれのわたしだけどね。
おれとわたしできょうだけどね。
「?」
どうしておれだけかわいくないのかな。
きょうよりかわいくないのかな。
「むかつく」
あいつよりおれのがかわいい。
ぜったいそうだし。
そうかな―――照れるよォ。
「どだろ」
どうだろう。
えっと、みためはおなじだし。
じゃあちがいってなんだろう。
「こころ」
もおなじ。
「かみのいろ」
もおなじ。
「ぜんぶ」
おなじ。
じゃあおれもかわいいじゃん。
―――当然。
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