閑話682・『俺の肉で餌やり2』

酷い目に―――――上手く逃げれた。


まさか大掛かりな罠のようなもので捕らえようとするとはねェ。


先日襲った集落からも近いし何かしらの手段で情報を得ていた?


少しは学習した?くふふ。


「いててて」


『こりゃ酷いね』


「ほんと酷いぜ、エルフの癖に」


『エルフに反撃されるのは久しぶりだね』


「ああ」


『それだけ必死って事でしょう』


「必死?必ず死ぬのに?」


『それも必死だけどものねェ、そうじゃなくて』


「ふぅん」


ふぅんに含まれた意図は『そうじゃない』だ。


どうでも良いとすら思っているね。


「まあ、すぐに回復するからいいぜ」


『まあ、すぐに回復するからいいよね』


「ふふん」


得意げに笑いながら寝転ぶ、落ち葉の絨毯は柔らかで気持ちいい。


感覚の共有も時には―――共有では無いか、一人だし。


「殺されても良かったな」


『へえ』


「食うの飽きたし、食われるのもいいか」


『それは』


「楽しいゾ、きっと」


そしたらエルフはエルフ同士で殺し合いをするかもね。


どうしようもないね、そうなると。


「な」


『返答し難いね』


ね?

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