いしをなげられたので、なげかえした。

いしをなげられたのでいわをなげかえした。

そしたらつぶれた、ばしゃにひかれたかえるのように。

いちおう、いわをとけてみた、ぐしゃ、ぺらぺら、あらら。

それはとてもかなしいのでいちおうなく、かわいそうにかわいそうに、おいしそうに―――思考が突然歪むんだねェ。

―――美味しく食べなさい。

「もぐもぐもぐもぐ」

もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ。

かわいそうに、おいしそうに―――キョウの声は憐憫と空腹に満ちている。

「いしをなげたから、うでだけつぶせばよかった」

かわいそうに、おいしそうに。

「そうすれば」

もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ。

こんなにくうこともないのに――食べたいんでしょう？

「くえるから、こっちでよかった」

もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ。

いわでつぶしてせいかい。

でもしょっかんはうしなわれた。

せいかいじゃない？

――――不正解。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい