閑話627・『懐く餌2』
エルフに対して愛着を持つなと教育する。
しかしキョウは豚や牛が懐いても食えると断言する、同じだと。
「エルフも同じだぜ」
情緒教育、湖畔の街の青空の下で。
ねぇ。
「そもそもご飯に懐くも糞も無いでしょうに」
「いや、生き物だし、あるんじゃね」
「あったとしてもね」
「むぅ」
「そこは何も思わずに食べるようにならなきゃね」
指を立ててアドバイス、ちゃんと学んで。
牛や豚以下だよ、エルフ。
「食うのは、出来るし」
「でも懐いてたら?」
「出来るけど、やだし」
「そこが問題なんだけどなァ」
「何処も問題じゃないぜ」
「問題」
「うぅ」
「もっと冷徹だったのにねェ」
懐く生き物もお腹に入れたら同じでしょう。
犬とか。
猫とか。
人とか。
エルフとか。
「俺も懐く生き物なのかな」
「さあね、懐いても食べちゃうじゃん」
懐いても食べちゃうのと懐いても食べられちゃうの。
くふふ。
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