閑話577・『おしりこすこす2』

『にゃあにゃあ』


「うるせぇぜ」


ぐるるるるる、お腹を手で押さえながらやや辛辣に吐き捨てるキョウ。


結局エルフを捕まえる事は――――鳴けばいいのに。


全くもう、からかうかな。


『にゃああああああ』


「うるさいな」


『にゃあ?』


「いい加減にしろだぜ」


木の根に腰を擦り付けるようにして寝るキョウ、ふりふり、擦る。


お、お尻―――鳴くのより恥ずかしいでしょうに。


『そこまでするんなら素直に鳴きなよ』


「ん?そこまで?」


『お尻』


「お尻?」


『無自覚って怖いよねェ、まあ、割と原始的な生き物である事は自覚を持つ様に』


「お尻?」


私の伝えようとする能力が低いのか?


「すりすり」


『それが出来てどうして鳴けないかな』


「すりすりすり」


『――――――――――』


「すり、うん、ここ俺のー」


『無駄に可愛いのが腹立たしい』


「ん?」


『気付いて無いし』


「鳴かないぜ?」


『もういいよ』


は、恥ずかしい。

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