閑話520・『みみまるらいだ』

エルフを捕まえた族達を襲って食べた、泣きながら感謝するエルフを泣きながら食べた。


キョウは今日も元気で食欲全開だ。


「けぷぷぷぷぷ」


「あらら」


湖畔の街でお腹を叩きながら転がるキョウ、さわやかな風が癖ッ毛を揺らしている。


現実世界と変わり無い膨らんだお腹、本人はとても幸せそうである、満足そうである。


「お得だった」


「そう」


「みみまるもみみとがりもくえた」


「そう」


「………りょうほうおいしかったなぁ」


「どっちが美味しい?」


「ふぁ」


「間抜けな返事は良いから」


「んー」


「………」


「みみとがり」


「よっしゃあ」


「うわぁ、な、なんだぜ」


「っしゃあ」


「おしとやかなキョウが珍しいぜ」


「存在意義の問題からね」


「?」


「かなり重要だからね」


「そ、そうか」


「………」


「に、睨むなよぉ、けぷ」


「……おいで」


「やだ」


「ちっ」


勘が鋭いよね。

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