閑話503・『ミミイカと人間の味2』

みみまるはうまい、とてもうまい。


だからたべた、きょうもたべた、みみとがりとちがって――そこらにいる。


「みみまるうまかったなぁ」


「……また勝手に食べてるし」


「おいしかった」


「味の感想はどうでも良いよねェ」


「……美味かった!」


「味の感想は以下略」


「味の感想はイカ?イカじゃなくてみみまるだぜ」


「イカでもみみまるでも無くて人間です」


「あ??」


「…………」


「………ミミイカ?」


「美味しいよね」


海の幸は舌に馴染みが無いので旅先で触れたものは強烈に覚えている。


ミミイカ、みみまる、どちらも外の世界で触れた。


あじを。


「ミミイカとみみまるか」


「どうしてそうなるのォ」


「みみまるは陸地に住む」


「………」


「みみとがりは森に住む」


「………」


「ミミイカは海域に住む」


「………」


「みんな美味しい」


「………ミミイカライダーと名乗ると良いよォ」


「なにそれ可愛いぜ」


「そう」


「……悩むぜ」


悩む。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る