閑話478・『かしこくなる2』

真剣に考える、エルフは捕獲した瞬間に消えてしまう、まるで泡のように消える前後の所作が無い。


何時の間にか消えて、透明な水面だけがそこにある。


「エルフを捕獲したいので助けて下さい」


「……頭を下げないでよォ、私の言葉をちゃんと聞いて『思考』するのなら良いよ」


「うん」


「す、素直だねェ」


「もう皮とか臓物は飽きたぜ、お腹一杯なるし」


「そ、それェ!」


「あん?」


「………キョウ、捕まえたエルフは逃げてるんじゃない、キョウが無意識で食べてるんだよォ」


「……」


「ちゃんと聞いてね、エルフライダーは無意識でエルフを食べちゃうの、そこに留まらせて置く事は不可能」


「うぅぅう」


「はいはい、頭痛いけどちゃんと我慢しようね」


キョウに相談する、そして頭痛、言葉を言葉として認識出来無い。


意味がわからない。


「うーうーうー」


「血涙は怖いね、ほら」


ハンカチで拭ってくれる、視界があかい。


あかい。


「エルフ、食べちゃってるんだよ」


「うぅううう」


「どうしようか」


「が、まん」


「出来るかなァ、そーゆー習性なんだもの」


「ぎゃんばる」


「なぁに?」


「ぎゃんばる」


「頑張る、か、良いでしょう、頑張って見よう」


「うにゅ」


「良い子」


「うにゅ」


えるふたべるのがまん。


がんばりゅ、ぎゃんばる。

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