第5話

バスケ部に入った私はみんなと一緒にノルマをこなしていく。

ただただ普通にバスケをしていた。


蝉が鳴いてうるさくなってきた夏。

私は頑張り過ぎたのか、足が疲労で動かなくなってしまった。


それもそうだろう。

毎日、部活で足がもげそうになるくらい走り、ボールを追いかけ、部活が終わったら、自主練習で夜に1時間走り、筋トレをやっていた。


体は悲鳴をあげていた。

休むしかなく、部活で見学していた。

ずっと見ているのは暇で筋トレ、ハンドリングを1人で黙々とやっていた。


部活で出す声じゃなく、微かに遠くから会話が聞こえてきた。


「ねぇねぇ、アイツ仮病なの?」

「えー?違うらしいけど?なんか、疲労だったかな?」

「まじー?全然元気に見えるんだけどー!」


ゲラゲラと先輩2人は笑っていた。

1人は、1つ上の先輩、もう1人は2つ上の先輩だった。


私は気にすることもなく、ハンドリングを続けた。


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