第8話 蒼い火 20100313



夢をみた




ガスコンロのスイッチを強く押してしまったら


強い火が燃え続けて

どうしても消せない




パニックになっていると

どこからか

お父さんが

あらわれた




2つあるもうひとつのコンロに火をつけると

ガスが分かれて右側の火が小さくなった




お父さんは火が小さくなったのを見計らって

蒼い火に指を突っ込んで何か取り出すと


コンロの火はさらに弱まって

ついに消えた




取り出したものを見せてもらうと

アイスをすくうようなプラスチックスプーンが五本くらい連なったビニールで

(アダムとイブかと思ったら)赤でカインとアベルとプリントされていた




お父さんの左手の中指と小指の爪が黒く

炭のようになってしまっていた




私がその手をなでながら


『ごめんなさい』

『ごめんなさい』と言うと




『いいんだ』

『大丈夫だ』と


なにか

超然としていた




『お父さんは勇気がある』と思った




少しいつものお父さんじゃないみたいな


でもお父さんなら

ああする気もした





なんだか神さまみたく

みえた



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