親父の話
ITSUMONO
第1話 思い出
私の父親は酒乱でどう仕様も無い奴だったと思います。だた、素面のときの父親はとても仕事に真面目で、そしてオッチョコチョイ。
もう父が無くなってから10年が経過しましたので、ここで変わり者の父親のエピソードをいくつかご紹介させて頂きます。
その1 栃木県J温泉の話
あれは私が小学生の時でした、私達家族と親戚一同が栃木県のとある片田舎にあるひなびた温泉に行ったときの話しです。
僕は(今でもそうですが)とても怖がりで、温泉に到着するとおばけ屋敷のような旅館の建物に一瞬背筋が寒くなるも、家族について行くしかないためしぶしぶ旅館に入り、更衣室へと足を進めました。
更衣室の中は昭和の雰囲気が強烈にする、設備もボロボロ、ロッカーも無く衣類を入れるカゴがあるのみという極めて貧相な設備でした。
そして、温泉の色は茶色。そのお湯の色が当時子供の私にはどうみても綺麗なお風呂のお湯のイメージとはかけ離れたもので、嫌悪感を強く覚えたものです。
そのため、僕は温泉から10分程度で出てしまい、他の人が出るまでずっと更衣室まで待っていました。
その日は温泉のみの利用だった為、温泉から出ると着替えを終え他の人を待っていましたが、僕の次に出て来た父親はいつの間にかベロベロに酔っ払っており足もふら付いて千鳥足。
あ~あまただよ、いつもこうだ......
僕は軽い失望を覚え、父が椅子で酔い醒ましている間、だらしない父を見たくなかったので先に車に乗り込んでいました。
車で1時間程度待っていると父親と他の人も戻って来て、次の目的に向かって叔父が運転する車は出発しました。
そしてそれから更に1時間程度経った時、父が突然言ったのです。
「なんか変だな……臭せえな」
母が怪訝そうな表情で言います。
「ええ~あんた何言ってるの?今お風呂入ったばかりじゃないの?」
「しょうがないだろう!臭せえものはは臭せえんだよ…あっ!!」
「どうしたの?」
「パンツ誰かのはいてきちまった、しかも少し付いてる…」
「うわ~汚い!!!」
「クッソ!!何でこんなものはかなきゃならねんだ!」
父はその後公園のトイレに入りパンツを処分して、さらにやけ酒…
その年僕は夏休みの作文に苦労したのは言うまでもありません。
(お食事中の方すいません…)
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