初恋は実らない

登代

プロローグ

僕の初恋は男だった。


初めての誰かを好きになるって気持ちは僕には重くって、いつだって不安定な僕には到底抱えきれないものだった。

しかも、周りは隣の席の〇〇ちゃんが可愛いとかみんな淡い清い初恋を迎えていた時だったから、

自分の異常さはなんとなく感じていて、自分でもこの気持ちが恋か友情かはわからなかった。

…いや今でもわからない。

ただ一つ言えることはあいつ以上に僕を絶望のどん底まで突き落とすやつも、

そこからほんの一瞬で嫌なこと全部忘れちゃうくらい幸せな気持ちにさせるやつも、今まであったことないってことだ。

それでもう充分なのかもしれないな。

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