掃除・HR

 sちゃんは しっかりとした、デザイン画に起こして 出してくれました。

それはそれは 見事で、かわいくて かっこいいデザインのリング。

 到底 私の腕では、作り上げれる 自信がなかった。本当なら G に作って

もらいたかったけど、この頃には 就職も決まって、一番 忙しい頃だった

んじゃないかと思います。


 すごく素敵な デザインだったので、学校の先生に お願いして

原型を作ってもらう事にして、デザイン画を 預けました。

 

 程無くして 先生から、直接 sちゃんの方へ、原型が届いたようで

連絡ありました。原型の画像付きの メールを開いたとたん

『あ…あ…っ;;;』と思いました。

 全くイメージしていた品物と 違っていたんです。

sちゃんの思いも 同じで。「コレじゃないと…」

 先生の腕による 素晴らしい、かっちりした仕上がりには違いなかった

んですけど、形が 全然違うんです。デザインを無視した 品物ではないですよ?

だけど こんなにも違うか?と思う位、違うんです。


 先生には お礼を申し上げて、製作分の謝礼はさせて頂いたのですが。

『オーダー主が 納得されてないので…』と

 その時 私は、ワックス原型を作るまで 習えてなかったんですけど

先生に サポートをお願いして、私が 作る事にしました。

 G からも ワックスの扱いについては、教えてもらえてたし。

基本 金属を触るのと、やり方に 違いは無く、ヤスリで何とかやれる様

だったので、何とかかんとか 1つ作り上げる事が出来ました。


 けれども sちゃんは、「こうじゃない」と 言うんです。

私が デザイン画から汲み取る 形は、こうなんだけど…と思うんだけど。

 sちゃんの話を 聞いて、もう1度 作ってみた。

それも どうやら、sちゃんの思い描く物とは 違う様だ…


 もうお手上げ!


 とりあえず 平面上見えるのと、リングにして 湾曲になって見えるのとでは

こう違ってくるというのを わかってもらう為に。その話をしていた所は

喫茶店だったんだけど、そこで ワックスとヤスリを 取り出して、実際に

削って見せて、こうなるんだよ。と伝えた。それでも sちゃんは、大きく

納得する感じではなかった。


 デザインに関して 譲れないナニかがあるのは わかったんだけど

何やら そこに、相容れないモノがあるんだろうな…っと思って。

 sちゃんに ワックスと ヤスリのセットを送って

『大まかでいいから どういう感じか、作ってみて』

とお願いした。

 すると sちゃんは、自分で ヤスリを購入して、大体の形を彫ってみたと

品物を送ってきてくれた。


 『こういう事か…』


 なるほど。

相容れない訳です。すごいです。ここまで 思い描いている形と違ってくるとは…


 ハート型がメインの デザインなんです。

そのハートの形自体から、私の好きな形のハート型では無いんです。私の理想とする

ハート型は トランプに描かれているハートの感じで、シャープな感じのが好き。

 sちゃんが 多分 好きな感じは、もっと ハートの山が開いた感じで、膨らみ

も、ぽってりした感じのが好きみたいなんです。

 私は 模様の部分を 際立たせたかったから、盛り上げていたけど。

sちゃんは 模様の部分も、平たくしかった様です。


 sちゃんが 言っている事を 総合すれば、デザイン画に 起こしてくれた

絵が間違っていないのも 理解出来ました。


 だけど…

そこに行きつくまで、結構に 精神力・労力を 割いていて、実は もう

作りたくなくなっていました。先生にも 

「オーダーは 相性があるから、無理だと思ったら 他の人に任せるのテだよ」

と言われていて。そうしたいのは 山々だったけど。何となく このデザインは

他の人では作れない気がしていて。

 先生作の原型から言っても、あの感じに上がってしまう可能性が高いと

思っていて。

 それと デザインは素敵だから、形にして 世に出したかったから。


 何度か 作り直しをして、やっと OKがもらえました。

そこからは 金属加工なので、私にも 出来る事だったし。 


 何とかかんとか 作り上げて、sちゃんへ お渡し出来ました。


 お蔭様で 自然と、ワックスを触る腕も上がったみたいです。

そして ハート型の注文の時には、細心の注意が必要だと 学びました。


 sちゃんに ご満足頂けたので、良かったのですが…




 私 かなり、悩んでたんです。

報酬を得る者として 当然の事だと思います。オーダー主の 希望に添う。

けれども 何度作っても、ダメ出しされる。作るのも まだ慣れてない状態で

1個上げるのにも、何回も 失敗していて。

『この話から 下りたい』と思って、相当 参っていたんです。


 その頃 たまたま、以前の彼氏さんと 連絡が取れる事があって。

この内容については、別の話で 詳細にしますけれども。

 その彼氏さんは webデザイナーの仕事をしている方です。

関わっていない間に、私が ブランドまで立ち上げて、HPも持っていると知り。

HPを見せたところ…

〇〇私の名前らしくない」

と言われ、俺にやらしてくれないかと言ってくれたんです。


 その時 ややsちゃんに対して、嫌気がさしていたし。

すごく好きだった彼が そう言ってくれてるんだもの。HPを担当してくれると

いう事は、私が ブランドを畳まない限り、何かしらで 関わってくれるんだし

と思って、お願いする事にした。

 


 この事もあったので、どうしても リングは、作り上げないとイケナイと

思って。頑張ったんだ。

 それで sちゃんに、リングを渡した時。

『HPの管理から 外れて欲しい』

とお願いした。

 sちゃんは びっくりされたと思うんだけど。次の担当の人の事も

sちゃんは 知っている人だったので「そういう事なら」と 承諾して下さった。


 とても 申し訳無い事をしたと思いましたが。

やはり 彼と、どういう形であれ 繋がっていたいと思って。 




 それから しばらく、sちゃんとは あまり連絡を取らない様になりました。





 また やってしまいました。

【友達】<【彼氏】 この構図です。




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