不死身でも殴られると痛い


体に強烈な痛みが伝わる。


辺り一面の草原の中何かに体を殴られる痛みで俺は目覚めた。

痛い。

俺は何故殴られているんだ?


頑張ってなんとか顔を上に向け先程から俺を殴っている存在を確認した。

そこには緑色の肌をした人形の化物がいた。


ゴブリンか。

いつまでも殴られ続けるのは痛いしとりあえず逃げよう。

俺に群がるゴブリン達から逃げようと起き上がろうとすると、不思議と楽に起き上がることができた。


あれだけこん棒で殴られ続けたんだから足や腕の骨が二、三本は折れてると思ったが問題なく走り出すことができた。

【再生】スキルのおかげか。

ゴブリン達が見えなくなるまで走り続けもう危険がないとわかると、どっと疲労感が押し寄せてきた。


「治って……る……?」


ひとまず安全を確保できたので体に異常がないか確認すると、先程まで殴られ続けアザだらけだった体は傷ひとつなくなっていた。

【再生】スキル凄いな。


まぁそれはそうとしてあの神なんて危険な場所に送りやがるんだ。

死なないとはいえ痛いのは痛いんだよ。

【再生】とか【不死】とかの凄いスキルは持っているけど、防御は4だもんな……。

レベルをあげなくては。


さて、レベルあげるにはやっぱさっきのゴブリンとかを倒せばいいのかな?

そういえば、神にもらったあの深紅の大鎌どこいったんだろ?

もしかして、さっきのゴブリンのところに落としてきちゃった?


あぁ取りに戻らなきゃいけないのか……。

あのゴブリンもういないといいな。

先程まで俺が倒れていた場所まで戻るとやはりまだコブリン達がいた。


どうしよう。

仕方ないゴブリン達はこん棒を持っていて俺は素手だが、行くしかないか。

大丈夫、死なないんだし腹をくくって戦おう。


ゴブリン達に素手で殴りかかる。

確かな感触が腕に伝わり殴られたゴブリンは地面に倒れる。

しかし、すぐに仲間のゴブリンに囲まれ、腹を背中をこん棒で殴られ俺はよろめき地面に倒れる。


痛い。

でも耐えられない痛みじゃない。

どうせすぐに再生すると割りきりすぐに立ち上がり再びゴブリン達に殴りかかる。


そしてまたこん棒で殴られる。

また倒れる。

立ち上がる。

倒れる。

立ち上がる。


これを三十分程繰返し一体のゴブリンが完全に動かなくなった。

その瞬間、俺の体に力がみなぎる。

もしかしてと思いステータスを確認してみるとやはりレベルが上がっていた。



名前ブラッド

レベル2

HP22

MP∞

攻撃12

防御11

魔防8

魔攻13

スキル

【格闘】レベル1

【全属性魔法】レベル10

固有スキル

【不死】

【不老】

【死神の魔眼】

【再生】

呪い

【マネーロスト】



全体的にステータスが伸び新たに【格闘】を獲得していた。

ずっと素手で戦ってたからかな。


「痛っ」


ぼーっとステータスを見ていた俺にゴブリンがこん棒で殴りかかってきた。

レベルが上がった喜びで忘れていたがゴブリンは一体だけじゃない。


まだ六体残っているんだった。

レベルが上がり防御が上がったおかげかこん棒で殴られてもさっきより痛くない。

まぁ、さっきよりは痛くないってだけでやっぱめっちゃ痛い。


さて、残りのゴブリンもさっさと倒してしまおう。

飽きることなくこん棒で殴りかかってくるゴブリンを避ける。

また避ける。


【格闘】スキルのおかげか三回に二回は避けられるようになってきた。

そして殴り殴られを繰返し一時間程で全てのゴブリンを倒すことができた。

レベルも上がり神からもらった大鎌も取り返すことができたしやっと休める。 


地面に腰を下ろしステータスを確認する。



名前ブラッド

レベル4

HP44

MP∞

攻撃25

防御24

魔防18

魔攻20

スキル

【格闘】レベル2

【全属性魔法】レベル10

固有スキル

【不死】

【不老】

【死神の魔眼】

【再生】

呪い

【マネーロスト】



レベルは4に上がり【格闘】はレベル2に上がっていた。

魔攻と魔防はあまり上がってないな。

多分ずっと素手で戦っていたからだろう。


てか、ステータス見て気づいたんだけど、俺魔法使えるんだった。

忘れてた……。

てか、魔眼もあったし。


素手で戦わなくてもよかったじゃん。

まぁいっか。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る