出会いを

杜若

出会いを

旅行、と一口に言っても、様々なものがある。


家族旅行、新婚旅行、修学旅行...

どんな形であれ、旅行というものは私にたくさんのものをくれる。



私が一番もらえたのは、出会い。


旅は一期一会と言うけれど、本当にその通りなのだから面白い。


何がおもしろいって、もう会わないだろうからと思って、普段とは違うふうに人と接する自分だ。


その土地の人だけじゃなく、新しい自分にも出会えるのだ。


人だけじゃない。


その土地自体と出会ったことにもなる。

今まで知らなかった別の世界との出会いだ。




そう思えば、眠って夢を見るのだって一つの旅行なのではないか。


そこは確かに自分がいる場所とは違う別世界であるし、そこに出てくる人物たちは、自分を含めて普段とは全く違う言動をする。

それに、一期一会である、ということは、普通の旅行よりも夢のほうが確実に言える。





私はいろんな所に行った。


散歩しにいった近所から、危険であると言われる紛争地域まで行った。

その度に様々な出会いをもらった。

その事は、何年もたった今でも忘れていない。





ただ...新しい出会いを求めて飛び回るには、もう、年をとりすぎた。


それなのに、新しい出会いを諦めるにはまだ早いという気がする。



だから私は夢を見よう。



普段見る夢は起きたらすぐ忘れてしまうから。


 

今度は、少し、ながく。



ずっと、忘れないように...





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

出会いを 杜若 @514322

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ