僕の生まれ育った場所
由来 小夜音
第1話
旭川市。
人口約35万人。
冬はしばれるし、夏は暑い。だ
が地震は少なく安全な市である。
火山が噴火したらひとたまりも無いが。
僕はそんな旭川市という平和な場所に住んでいる。
時間の流れはどことなくゆっくりで、心地よい。
春には、家族で桜を見に旭山に行った。
ジンギスカンをしている団体が何個かある。
幼い頃、ジンギスカンの香りにつられ勝手にその団体に混ざってジンギスカンを食べたことを思い出し赤面する。
桜の写真を携帯で嬉しそうにとる母を見ては来てよかったと思う。
学生時代、夏にはリベラインの噴水で良く遊んだ。
ものすごく暑くて太陽が痛くて、ここは本当に北海道なのかと疑問に思いながらも、みんなではっちゃけて遊んだ。
今は集まらない仲間だが、あの時の楽しさを僕は一生忘れないだろう。
秋には至るところでナナカマドの葉っぱが赤く染まる。
そこに銀杏の木や桜の木もあると、なんだか凄く幻想的で、いつもとは違う道に迷い込んでしまったような気持ちになる。
街が、道が、自然に彩られる。
冬になると山盛り雪が降る。
どんよりとしていてしばれて…、正直冬は嫌いだ。
でも、毎年初雪の時には、子供のように心がわくわくする。
何故だろう。
これから待っているのは不便な移動や家の前の雪かきなのに、それでもわくわくしてしまう。
それは、空から降ってくる雪がとても綺麗で毎年感動しているのだと気づいたのは今年のことだった。
旭川にはあさっぴーというゆるキャラもいる。
しろくまの耳にアザラシの様な顔、腕からはラーメンが垂れ下がっているのだからなんだか面白い。
最初は変なキャラだと思っていた。
だが、最近は愛着が湧いてきて可愛いと思える。
あさっぴーのぬいぐるみやガチャポンをを街中で見つけると、なんだか嬉しくなる。
旭川には大きな旭橋という橋もある。
その橋は大抵の旭川を舞台にしたドラマや映画、アニメにはワンカットは使われるであろう正しく旭川のシンボルだ。
そこから見える川はキラキラと輝いていて、思わず立ち止まってしまう。
札幌よりは大きくないけど発展している市で、良いものもたくさん揃っている。
この前西武が無くなってしまい、過疎化も進んでそうだが、若い人がカフェを作ったり、街を盛り上げようとしているのもよく見かける。
旭川といえば、一時期は旭山動物園がとても賑わっていた。
観光客もたくさん来ていて、道路が混んで大変だった。
最近は少し観光客も減り、動物も見やすくなっている。
小学生の頃、遠足等で何度も行った旭山動物園に僕は正直飽きていた。
しかし、最近になってまた行ってみるとオブジェが増えていたり、新しい展示がされていたりととても楽しめた。
僕はあべひろしさんのオブジェが好きだ。
独特の可愛さがある。
愛嬌を振りまいているわけではなく、目つきも悪いが何故か可愛い。
不思議な絵だと思う。
つい、見つけると写真に収めてしまうのだ。
そして、旭山動物園に行くと、必ずぬいぐるみが欲しくなる。
子供が買ってもらったぬいぐるみを大事そうに持っているのを見るとなんだか懐かしい気持ちになって、僕も買ってしまおうかと思っては思いとどまる。
流石に少し恥ずかしい。
こんなおじさんがぬいぐるみをもって歩いているのはちょっと嫌だろう?
そうでもないかい?
ありがとう。
旭川には可愛いカフェもたくさんあって、たまーに巡り歩いてみたりもする。
どこも良い雰囲気で、読書にぴったりだ。
最近は街中にイオンが出来たこともあり、小さなお店が減ってきた気もするのが寂しい。
でもそんな中でも行けば笑顔を向けてくれるお店があるのは嬉しいことだ。
そんな旭川で僕は生まれ育った。
田んぼがたくさんあって、でも街も発展してて、自然も文化も両方ある、そんな素敵な所で育った。
たくさん失敗もした。
たくさん悔しい思いをした。
だが、ふと周りを見ると、大好きな自然が、綺麗な景色が、少し寂れた街がぼくを受け入れてくれる気がして心が楽になる。
僕はそんな旭川が大好きだ。
僕の生まれ育った場所 由来 小夜音 @d2always0621
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