第4話・大学

大学行ったらさ、同じレベルの人が集まるとおもってたんだけど、幻想だったわ。はぁ?なにあれ。浮かれすぎでしょ、何なのあのサークル勧誘は。どーせそうやってさ、新入生の女子にお酒飲ませようとするんでしょ?解ってんだよ、クズども。なにが楽しくやろう!だよ。あたしはそういうチャラい空気が死ぬほど嫌い。どいつもこいつも、死ぬ気で勉強してきたんじゃないの?なんでそんなにチャラチャラしてんの?全力で入った大学に来てまで、高校にいたアイツらの真似なんかしなくていーじゃん。女子も女子。なんでそういう風に簡単に股開いちゃうの?あんた知ってんの?先輩からどう呼ばれてるのか。タクシーよ、タクシー。乗り捨てできるってさ。恥ずかしくないの?せっかく苦労して大学にまで入ったのにね。私もね、勧誘がホントにしつこいから、仕方なく1回だけ新歓コンパも行ったけど、君ノリ悪いよ~とかさぁ、初対面の人に失礼だと思わないの?何なのあんたら、受験の緊張が解けて類人猿にでも戻ったの?ホントくそ。全然面白くない。寂しさ紛らわすように集まっちゃってさぁ、あんたら、自分にプライドってものが無いの?あたしはあるわよ。死ぬ気で勉強して、ようやくここまで来たんだもん。今さらバカみたいな真似、やるわけないじゃないの。ここからなのよ!ここから!ようやくやりたい勉強に集中できるんだから。今までさ、三角関数とか、モルとか、古典漢文とか、いらない勉強も無理してやってきたんでしょ?それなのに、何なのあんたら?カンニングでもした?裏口?どちらにせよ、ここには相応しくないわ!さっさと消えろ!死ね!あたしはね、これから必死で勉強して、資格とってさ、バリバリお金稼いで、あいつらを見下してやるのよ。あいつらはどうせ、一生田舎から出る事もないまま、地方の零細企業に雀の涙みたいな給料でコキ使われるのよ。そのうちリストラされて、その時に初めて後悔しなさいよ。努力してこなかった自分にね!私は違う。あいつらみたいにはならない。絶対に成功してみせるわ。だって、これまでずっと我慢して、努力してきたんだもん。ヘラヘラ笑って過ごしてきたあいつらとは違うんだから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る