時空トラベル
@vein00
第1話 始まりから終わり
この世界は人と人が戦い、勝ち組と負け組が常に決定する世界だ。
何故こんな世界に俺は生まれて来たのだろうか?
その意味を知るのは死んでからなのだろうか?俺は今…死んだのか?
「おい!しっかりしろ烏丸(カラスマ)!お前はまだ10代だろうが!」
誰の声だ?俺は今…何をしている?どういう状況だ?
身体を動かそうとするが、何かに拘束されていて動きもしない。俺は目を開けて、
叫んでいた者の顔を見る。
「お!気が付いたか!?烏丸、俺は誰だかわかるな?」
俺を必死に見ている男性。俺と同じ歳ぐらいなのがわかる。その濃い顔、特徴のある天パ、そして野太い声。俺の親友である…
「た…高杉か?…俺は…」
「喋るな!今、緊急治療室に運んでいる真っ最中だ!いいか、お前は重症なんだ!」
えっ?俺が重症?意味がわからない。確か俺は…自転車で学校から帰宅の途中だったはずだ。
まず俺は烏丸 優生(カラスマ ユウセイ)だ。18歳の高校3年生。通っている高校は伏間高等学校。あと日本人で東京暮らしだ。
で、自転車を漕いでいて俺は家に帰宅しようとしていた。帰宅途中で高杉と会って、一緒に帰宅しようって流れに…、
そこからだ。俺が思い出せないのは。何でこんな状態になっているんだ?俺の身に何があったっていうんだ?
「俺は…何で…」
「喋るなって!本当に重症なんだから!」
「ぐっはあ…」
何だ…この痛みは!?ものすごく…重い痛みだ。腹部辺りからその痛みを感じる。
「大丈夫か?痛みが振り返してきたんだな?もう寝ていろ!」
俺は辺りを見回した。そこで…俺の異変に気が付いてしまった。何故今まで気づかなかったんだ?高杉は緊急治療室に向かっていると言っていた。
なのに…看護婦さん達の声が聞こえないんだ?何も言いかけて来ないんだ?
くそっ…気付いた時にはもう遅かった。俺はもう何も喋れる状態ではなかった。痛みで今にでも気絶しそうなんだ。
状況は…最悪だ。ここは病院でもない。何処かの倉庫。俺は今ベッドの上で拘束されている。
目を瞑る。俺にはもう時間がないようだ。死ぬ前にわかるとはな。
高杉…お前は何故…笑っているんだよ。
そう思い、俺の意識は完全に途絶えてしまった。
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