違和感を感じる(正用)
重言だと言われることの多い「違和感を感じる」は本当に重言でしょうか。
言い換えの候補として挙げられるのが「違和感を覚える」ですが、この「覚える」は「感じる」と意味は同じです。意味的に考えた場合、「違和感を感じる」を重言とするなら「違和感を覚える」も重言としなければ収まりが悪くなります。
「感じる」だと不可で「覚える」だと可とするのは字面だけを見た議論に思えます。
字面が同じだからと言う理由では「指で指す」も重言になります。しかし、「棒で指す」「足で指す」などと対比させると、けして重言とはなりません。
そのため、文字が同じだからと言うだけで重言と決め付けるのはどうかと思うのです。
「~を感じる」との言い方をするのは、「暑さ」「寒さ」と言った感覚を示す言葉、あるいは「喜び」「悲しみ」のような感情を示す言葉になります。
では、元から感情や感覚を示すものでなければ感じることはできないのでしょうか。
そんなことはありません。
「~感」と「感」を付け加えることで感覚を示す言葉になります。「違和感」「達成感」「義務感」などです。
つまり、「違和感」と言う単語で感覚を示す言葉であり、「寒さ」と同等になるのです。
そして「違和感を感じる」は重言ではないことになります。
しかしながら「違和感を感じる」に違和感を感じる人が居るのも事実で、使用を避けたいと思う向きもあるでしょう。
果たして避けられるでしょうか。
「違和を感じる」は「違和」が感覚ではなくなっているので不適切です。
「違和に感じる」なら使いどころ次第です。ただ、これで通用する場合は最初からこう書いているに違いありません。
「違和感がある」「違和感がする」も使いどころ次第です。「感じる」のが重要でない場合には有効です。しかし、心理描写などで「感じる」のが重要な場合にはそう書くことに違和感を感じざるを得ないでしょう。
とどのつまり、敢えて使う必要もなければ、敢えて避ける必要もないのが「違和感を感じる」です。
そんなところに神経を使うなら、ストーリーに頭を悩ませた方が良いってことですね。
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