能力覚醒

 触れた人間の超能力を引き出す力を持った老婆は、少年の額から皺だらけの手を離した。


「……終わったよ。お前さんもこれで能力者の仲間入りさ」


「サンキュー、ばあさん。それで俺の能力は?」


「とても優れた力だよ」


「なになに?」


 少年は期待に胸を躍らせた。瞬間移動かテレパシーか、時間遡行かテレキネシスか。


「急に手みやげが必要になったとき、最も無難な物が瞬時にわかる」


 思春期にはいらなかった。

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