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2022年9月10日 08:19
拝読しました! ライネスに続き、今度は改子! それにしても、現在の凶暴性からは想像もつきませんが、改子は案外お嬢様だったんですね……。国家の政権の枢要から、戦火によりはじき出された……源平合戦当時における、平家側官僚の血筋というところでしょうか。それまでは闘争ということ自体すら知らなかった娘が、すべてを奪われ失い、もう失いたくない一心から力を渇望する……。絶望の中での一筋の光明が力への信仰という、救いのないことに。あの一戦においてグロウを凌辱しようとした改子の異常性は、失った弟へのゆがんだ愛情補完行為なのでしょうか。各地で凌辱された少年たちにしてみればたまったものではないですが。 リオンハルトも純粋な善性のみで声をかけたわけではなく、彼らに力への渇望を利用して自分のコマにする、という野心もあるのですよね。弱者に手は差し伸べて強くなるための力は貸すけれど、弱いままの存在を背負ってやりはしない、という雰囲気。強く仕立てて戦わせるのと、戦わなくていいからとひたすら優しく寄り添うだけ、どちらも一長一短あるとは思いますが改子たちの場合はより深く心を壊すことになった? このはぐれ部隊の面々がいずれ、手に入れた強さと本来持っていた優しさ、二つながら取り戻す……なんてことは、どうなのでしょう。現時点では局地戦での蛮勇的強さ、にしか使えない4人ですからね、リオンハルトはもしかして4人の精神復活、側近としての活躍を待望している? また長くなりましたが、今回も楽しませていただきました! 次話で語られるであろうポエマー作家な隊長、バルザックの過去も楽しみにさせていただきます!
作者からの返信
今回もお読みいただきありがとうございます!! まさにそんな感じですね……思えば(のちのち述べますが)ライネス以外は元々それなりに裕福な出自の人たちなのでした。 それでも、力への盲信へと傾いた4人の事情はそれぞれ微妙に異なってますね。いずれにせよ、客観的に見れば彼らは不幸な人間たちに思えるはずですが、自分たちが何故不幸なのか、と自問自答することすらもあまり無いという有り様。後悔はしていませんが、書いていて気持ちが重くなりましたね……。 改子が一番凶暴性が強いのは、ガラテア軍へと至るまでに最も苛烈な暴力に晒されたからだと思っています。単なる小児性愛者や同性愛者というよりは、やはり『無惨に犯され、殺された母と弟には力がなかったせいだ』という認識を刻まれてしまった過去から来る弱者への憎悪と愛情の補完行為ですね。メランあたりは唯一まともに相手をしてくれているようで、それでも時に戦闘狂としての歪んだ性が勝ってしまい、お互い血を見るような暴力に満ちたセックスになってしまいがちという。 リオンハルトも改造兵として力を与えはしますが、それは戦力を増す為であり、ライネスたちのような人に必ずしも幸福への一助を授けるわけではないですね。もちろん相手を選んで、改造兵までしなくても助けられそうな人は助けてたりします。ライネスたち4人はもう後には退けないほど追い詰められた状況だったのを察して軍へと引き入れてるわけですね。もちろん生きていくだけの能力を身に付けたまま、闘争心を抑えて平穏に暮らせてやれないものかと思案はしていますが、力へ傾倒する軍のやり方と、それだけの技術がまだ無いのもあって救い切れないでいる、と…………。 次回はバルザックです。怪力を誇る巨漢な彼ですが、改造兵へと至った過去は意外なものかもしれないですね。
拝読しました!
ライネスに続き、今度は改子! それにしても、現在の凶暴性からは想像もつきませんが、改子は案外お嬢様だったんですね……。国家の政権の枢要から、戦火によりはじき出された……源平合戦当時における、平家側官僚の血筋というところでしょうか。それまでは闘争ということ自体すら知らなかった娘が、すべてを奪われ失い、もう失いたくない一心から力を渇望する……。絶望の中での一筋の光明が力への信仰という、救いのないことに。あの一戦においてグロウを凌辱しようとした改子の異常性は、失った弟へのゆがんだ愛情補完行為なのでしょうか。各地で凌辱された少年たちにしてみればたまったものではないですが。
リオンハルトも純粋な善性のみで声をかけたわけではなく、彼らに力への渇望を利用して自分のコマにする、という野心もあるのですよね。弱者に手は差し伸べて強くなるための力は貸すけれど、弱いままの存在を背負ってやりはしない、という雰囲気。強く仕立てて戦わせるのと、戦わなくていいからとひたすら優しく寄り添うだけ、どちらも一長一短あるとは思いますが改子たちの場合はより深く心を壊すことになった? このはぐれ部隊の面々がいずれ、手に入れた強さと本来持っていた優しさ、二つながら取り戻す……なんてことは、どうなのでしょう。現時点では局地戦での蛮勇的強さ、にしか使えない4人ですからね、リオンハルトはもしかして4人の精神復活、側近としての活躍を待望している?
また長くなりましたが、今回も楽しませていただきました! 次話で語られるであろうポエマー作家な隊長、バルザックの過去も楽しみにさせていただきます!
作者からの返信
今回もお読みいただきありがとうございます!!
まさにそんな感じですね……思えば(のちのち述べますが)ライネス以外は元々それなりに裕福な出自の人たちなのでした。
それでも、力への盲信へと傾いた4人の事情はそれぞれ微妙に異なってますね。いずれにせよ、客観的に見れば彼らは不幸な人間たちに思えるはずですが、自分たちが何故不幸なのか、と自問自答することすらもあまり無いという有り様。後悔はしていませんが、書いていて気持ちが重くなりましたね……。
改子が一番凶暴性が強いのは、ガラテア軍へと至るまでに最も苛烈な暴力に晒されたからだと思っています。単なる小児性愛者や同性愛者というよりは、やはり『無惨に犯され、殺された母と弟には力がなかったせいだ』という認識を刻まれてしまった過去から来る弱者への憎悪と愛情の補完行為ですね。メランあたりは唯一まともに相手をしてくれているようで、それでも時に戦闘狂としての歪んだ性が勝ってしまい、お互い血を見るような暴力に満ちたセックスになってしまいがちという。
リオンハルトも改造兵として力を与えはしますが、それは戦力を増す為であり、ライネスたちのような人に必ずしも幸福への一助を授けるわけではないですね。もちろん相手を選んで、改造兵までしなくても助けられそうな人は助けてたりします。ライネスたち4人はもう後には退けないほど追い詰められた状況だったのを察して軍へと引き入れてるわけですね。もちろん生きていくだけの能力を身に付けたまま、闘争心を抑えて平穏に暮らせてやれないものかと思案はしていますが、力へ傾倒する軍のやり方と、それだけの技術がまだ無いのもあって救い切れないでいる、と…………。
次回はバルザックです。怪力を誇る巨漢な彼ですが、改造兵へと至った過去は意外なものかもしれないですね。