魔王様の人間世界逗留記
三田村綯夜
プロローグ:かくして世界は平和になった
人々に魔王城と呼ばれている城。
そのエントランスホールで今、人類と魔族の命運を賭けた最後の戦いが行われていた。
白銀に輝く鎧に身を包み、聖なる力を宿した剣を振るう勇者、ロミロフ。
相対するは、闇を
先程までは舌戦を交えながら戦っていたのだが、長い戦いのうちに語る言葉は尽き、勇者の荒い息づかいと魔王の詠唱の声だけが二人の口から漏れる。
そして、二人の戦いは終わりを迎えた。
勇者の剣が魔王の右の角を切り飛ばし、魔王の放った雷が勇者の体を焼く。
魔王は力を失い、勇者は床に伏せ肉が焦げたような臭いを立てる。
「すまないなロミロフ、貴様の言うことも一理あったが、理ではなく力に従うのが魔族なんだ」
戦いに巻き込まれないように離れていた従者達を呼ぶために、勇者の亡骸に背を向ける魔王。
その背に、勇者の剣が突き刺さる。
「なっ……!?」
「不意打ちなんてかっこ悪いが、俺の勝ちだ」
魔王の角が折れた為に魔王の雷は勇者の命を奪うに足らず、勇者は魔王を倒すことに成功した。
こうして、世界は魔王の脅威から解放されたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます