恋愛って難しい。

第1話

私が彼に出会ったのは、高校二年の、中途半端な秋だった。

自分でも思うけれど、なんとも間抜けな出会いだったと思う。


 それまでの私の人生は割と順調で、

部活は科学部と美術部。ちょっと地味だ。

科学部に至っては、

フラスコを振るほうだと思って入部したら天文部とほとんど変わらなかった、

っていうオチがついてきた。

生徒会長っていうガラに合わない仕事にもついてて、充実してたと思う。


 彼に会った時も、生徒会が終わって急いで部室に入った。

なんで間抜けだったかっていうのは、まあベタだったけど、

走ってきたもんだから滑って転んだ。

初めて会った彼からしてみたら、「アホな先輩だ」と思っただろう。

そこからがんばって空気を良くしようと思って、必死で明るい先輩を装った。

「お腹すいたときはうどんだよね!!」とか変な内容の話ばっかりして。

初めての体験入部した後輩だったから、実はすごく会うのが楽しみで仕方がなかった。


そのおかげかどうかは知らないけど、彼はそのまま入部してくれた。

ここまでは本当に順調だった。

私はこの後で大きな間違いを犯してしまった。

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