第18話 This Feeling この想い
18.
== 渡邉凛太郎 +南千鶴 ==
浮気って一種の病気らしいから妻の再犯の可能性が無いわけじゃないし
大体妻側の浮気の場合は、離婚率も高いと聞くので
離婚しない俺のような夫は少ないのだろう。
聖には冷たいことばかり言ったけど、本当は許してんだろうと思う。
だって許してなかったら離婚になるだろうし
何だかんだ厳しい言葉を放ったけど、情けないことに俺は
妻にまだ気持ちがあるんだと思う。
だけど妻を少々甚振(いたぶ)らないことには気が済まないのもホント。
腹の虫を収める為、意地悪を仕掛けることにした。
妻から責められないことをいいことに、彼女にニセの情報を流して
甚振(いたぶ)るというもの。
同じ会社の同僚にシングルマザーなのだが身持ちが固く
浮いた色恋の噂を聞いたことの無い南千鶴という女性がいる。
妻の浮気のことを話すのは気が引けるので
昨年の件は端折って浮気未遂があったということで
彼女に相談を持ち掛けた。
同僚
南はうな丼が好きなので、一ヶ月に一度はうな丼を奢るということで
ニセの恋人役をしてもらうことにした。
又万が一、デートする振りをしてもらうような事態になったら
バイト代1万円+デート代を出すという取り決めもした。
後々ややこしいことになるのは不本意なので、南千鶴には
最初にはっきりとこちらの真意を重ねて申し渡していた。
「はっきり宣言しておきたいことがあるんだ。
俺は妻が好きだ。
詳細は言えないがまぁ、ちょっとね妻が余所見していたことが判って
好きが故のお仕置きでお灸を据えたいと考えてる。
期間は半年か1年位。
まかり間違っても本当の浮気をする気は無いので
この先そこはちゃんと把握しておいてほしいんだ」
「はーはーはーっ!!
そんな余計な心配はご無用よ。
何ぁ~にいらん心配してるんだか!
自惚れるのもいい加減にしたまえって感じ?
1億円位オマケが付いてるならまだしも
ゼーッタイ私があなたを好きになるなんてコトはないからっ
・・ていうか、そういうところを買って恋人役を
私に選んだんでしょうけどもね。
それでもちょっぴり心配で念には念を入れてるんだろうけど、ないから。
まっ安心して私に任せなさいっ!!
しかしマジ奥さん可哀想だね。
渡邉君、い(悪)い性格してるじゃんっ。
そのうち奥さんに逃げられても知らないわよン!!」
-930-
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます