4


1


遺されし世に平穏あれと祈りつつ波枕にしばし眠らん












2


若き夫婦の婚姻に幸よあれ指を絡めて神に祈らん













3


手袋が夏に咲くなよジキタリス子ぎつね泣くぞと花をちぎる













4


紫蘇の香りが漂う小道つまずいて我に返れば腹が鳴り















彦星が笹のごとくに背伸びして姫はいずこか窓を覗きぬ














才能が無いなら無いでそれでいい良いも悪いも我が子なりけり













7


安楽死ころしてくれとなんなら殺してやれとは全然違う












8


雪の中旦那と話し肩の荷がそっと自らおりる夜かな





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