感性について。

絶望を知ることによる絶望

例えそれが救いようのない最悪の悲嘆と苦痛だったとしても

絶望を知ることのない

あるいはその感覚を持たない人間を

わたしは羨みはしない


わたしはそれ自体既に自己にとっての凶器である感性を

愛しているのだと思う


絶望が激しく鋭敏な感覚をやがて死に追いやるとしても

絶望は

わたしの感性の確かさを何よりも裏打ちしてくれる


人が死へと向う瞬間に

自分が生きていたことを強く意識するように


押し寄せる崩壊の耐え難さに

打ち砕かれる存在が感性であり

わたし自身なのだろう


悟性にも知性に追いつかない

わたしの表層であり核心であるのは

疑うことも考えることもない感性のように思う

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