6.無意識の憧れ
僕は、見たことの無い海の中を知りたくなりました。それは、怖いもの見たさでは無く、確実に、こうきしんと言う物です。
女の子は僕と歩きながら、何かを思い出したように、表情を変えました。
「あなた、名前は何て言うの?私は、エリと呼んでくれれば良いよ。」
僕は、少し考えました。あだなが無いからです。しょうがないから、大好きな花をなのる事にしました。
「
花、と言うのは日本語では、「ハナ」と読みます。中国語だと、「ホワ」と読みます。なので、僕は今日からホワになりました。
女の子…エリは、とってもふしぎな見た目をしていたから。ぎん色、それもただのぎんじゃなくて、僕にはすこし青色に見えました。目も、真っ赤でとてもきれいです。
僕とは大違いの見た目だったのです。だから、ちょっと僕も変わったものがあればおもしろいな、そう思ったのです。
「これからどこに行くの?」
僕は、そういえば、と思い聞きました。エリは、笑って言いました。
「人が、もっともっとたくさんいる、楽しいところだよ。お店も、たくさんあるの」
そう言うと、僕の手を引いてエリは走りました。僕も楽しくなって、一緒に走りました。
暫くすると、色とりどりな屋根と、綺麗な商品が並ぶお店のたくさんある場所に着きました。
少し見て回ると、ピンク色の貝がらや、乳白色にかがやく石、それ以外にもたくさんの綺麗な物が売っていました。
___1つ。なかまはずれがいました。
はじっこが割れて、色あせた貝がら。見向きもされず、1人で泣いているみたいに、僕には見えました。
何故だか、僕は悲しくなりました。
海の少女と魚の少年 狂音 みゆう @vio_kyoyui
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