神様聞こえていますか?
祭 仁
第1話『神様、彼女は『不幸』』
神無マリアは、この聖命高校では有名人である────マリアという名前からも分かるように彼女はハーフだ。母方でロシア系の白人種なので整った顔に金髪美少女。おまけに勉学の方は校内でもトップクラス、定期テストの順位表が張り出されると彼女は当たり前のように先頭にいる。僕はといえば、張り出しにも乗らないほどの落ちこぼれだ。まあ、彼女と比べること自体が間違っている。容姿端麗、才色兼備とは彼女の事を言うのだろう。と言うよりかは、彼女の為にある言葉にも思える。いわゆる何でもできる天才というヤツだ。そう、彼女は何でもこなす完璧だ、ある一つを除いて・・・・・・彼女には、もはや冗談ではないか。と言っていいほど、大きなものから小さいものまで「不幸」が起こり重なる。例えば、今日は車に引かれそうになったノラの子猫を間一髪で救った。彼女はその時までは、擦り傷だったのだが助けた猫に腕の動脈噛まれ大量出血し、危うく死にかけた。
しかし、彼女は噛まれた不幸よりも、猫が無事なことを喜んだ。その笑顔に1点の曇もない。彼女は、いつも笑顔だ。
そう。彼女は、神様に忠誠を誓う聖母の名前にも関わらず、神様がいなかったからか、見放されたのか。
────神無マリアは、神に愛されていない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます