Mr.シャーロック
豆崎豆太
序
今から書き記すのは、7年前、私がとある男の助手として「ワトソン」を名乗っていた頃の、懐かしい事件録である。
私が助手をしていた男は、自らをして「名探偵シャーロック・ホームズの生まれ変わり」と称する奇人だ。アラン・コナン・ドイルではなくシャーロック・ホームズ、つまり架空の人間の生まれ変わりを名乗るその男は、わがままではた迷惑、酒と女にだらしのない、しかしどこまでも愛情深い男だった。
ぼさぼさの髪に無精髭、よれたスーツで軽やかに駆けまわり、私の世界を猜疑と論理で染め上げた唯一無二の男。その広く逞しい背を追いかけて走り回った数年間を、これから久方ぶりに紐解いてみようと思う。
- Noah Berkeley
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