決意

「相手はグランドスラム対艦ミサイルを後3発持っている。フィールドだけじゃ防ぎきれない。高速度のグランドスラム対艦ミサイルからは逃げられない。迎撃ミサイルさえあれば勝てるのに」

「僕が行くよ。迎撃ミサイルシステムの制御系ケーブルと動力ケーブルをつないでくればみんな助かるんだろう?」

「順平の馬鹿!今宇宙空間に出ていけば、海賊の攻撃を受けた時、ミサイルの破片やエネルギーで死んじゃうのよ」

「船の中にいても同じだろう?それに愚図でのろまな船外作業要員は嫌いなんだろう?いつもの工藤さんらしくえらそうに艦長命令をすれば良いよ」

「工藤君何を言い出すの?遊びじゃないのよ」

「紗枝さん分かっているつもりだよ。でも全員助かる方法は迎撃ミサイルシステムを作動させる事だから」

「ダメです」

綾音さんが言い切った。

「そんな危険すぎる事を認める訳にはいきません」

「約束だから」

「えっ?」

「もし綾音さんが危険に陥った時、助けると約束したから。それにみんなの命を守るためにも船外活動をしたいんだ。もちろん僕も助かりたいからね」

「決意は固いのですか?」

「外は危ないよ」

光帆さんが話しかけてくれる。

「光帆さんありがとう。僕は行くから。艦長命令をして欲しい。艦長命令以外で船外活動はできないから」

「・・・分かったわ。必ず帰ってくるのよ」

「了解」

「相沢君。本来船外活動を行う場合二人以上が基本です。ついていけるのは私しかいませんが、工藤さん、紗枝さん、光帆さんの三人の指導と監督を行う必要があります。一人きりの宇宙で私の生徒達を託して良いですか?」

「仲間と船を守る為に船外活動要員がいると思います。必ず任務を果たします」

「分かりました。必ず命綱を着けて着けて行ってくださいね」

「綾音さん、光帆さんサポートをよろしくね」

「工藤さん、相沢君がブリッジを出たら、通信回線を開いて海賊と交渉を行い時間稼ぎをして良いでしょうか?それと宇宙空間での無音は恐怖を誘うので相沢君の宇宙服にブリッジの状況を伝える事を提案します」

「ビショップ先生分かりました」

「順平さん。順平さんが船外作業要員室で宇宙服に着替えている間に通路を減圧しておきます。すぐに宇宙に出れる様にしておきます。行ってらっしゃい」

「行ってきます」

僕はその声を聴きながら、ブリッジを出るのだった。



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