フィールドジェネレーター

僕は上面に傷が無いかを確かめながら、フィールドジェネレーターに向かっている。フィールドジェネレーターは俗に言うバリア発生装置だった。特にレーザー砲に対して強い効果を持つ。ミサイルに対しても効果があるけど、強力なミサイルなどを防いだら、フィールド出力が高まる為に、フィールドジェネレーターを冷却する必要がある。また船体に対してフィールドジェネレーターを構成するのが普通だけど、直撃した場合、破片などで船体が傷つく事がる。スペースデブリにも効果が発揮するから常に稼働している。

そんな事を考えながら、僕はフィールドジェネレーターの点検口まで来た。

手順ではハッチ内のカメラで異常が無いかを確かめるのと電流が流れていないかをオペレーターの光帆さんに確かめてもらう必要がある。

「光帆さん。カメラで異常が無いか確かめれくれますか?」

「えっと。ハードポインのカメラの切り替えはこれだから。・・・・・・ケーブルは接続されていません」

「電流が流れていないか確認をお願いします」

「はい。・・・電流は流れていません」

「ハッチを開放します」

「はい。お願いします」

「ボルトを緩めるの開始」

そう宣言するとハッチを占めている二本のボルトを緩めていった。一度やった作業だ難しくはない。僕は一本目のボルトをお腹のポケットに収めると、もう一本のボルトを外して、やはりお腹のポケットに入れる。これでハッチを開放できる。

「ビショップ先生、手順に間違いはありますか?」

「いいえ、間違いはありません」

「光帆さん。ハッチを開放します」

「はい。お願いします」

僕はハッチに取り付けられている取っ手を回転させて、ロックを解除してハッチを開けるのだった。右手でハッチの蓋を支えながら、左手で突っ張り棒を二本ハッチの蓋を固定する。

「固定よし」

そう点検すると僕はハッチ内のケーブルに目をやる。制御系ケーブルも動力系ケーブルもどちらも外れていた。フィールドジェネレーターの誤作動はドックに大きな被害をもたらすから、当たり前の処置だった。

「制御系ケーブルを接続します。電流は流れていませんか?」

「はい。電流は流れていません」

「接続します」

僕はそう言うと制御系ケーブルをハードポイントに取り付けられたコネクタに差し込む。

「光帆さん。自動点検シークエンスの開始をお願いします」

「はい。点検の開始を始めます・・・少し待ってくださいね」

・・・

・・・・・・・

「自動点検シークエンス終了しました。フィールドジェネレーターには異常がありうません」

「動力ケーブルの接続を始めます。もう一度電流が流れていないか確認をお願いします」

「はい。確認します・・・電流は流れていません」

「ケーブルを接続します」

僕は宣言すると動力ケーブルをコネクタに差し込んだ。

「異常は確認できますか?」

「異常はありません。綾音ちゃん無いよね?」

「はい。ありません」

「ハッチを閉鎖します」

僕はハッチの蓋を占めて、ボルトで固定するのだった。

「ハッチの閉鎖を確認しました」

「順平!何をしみったれた事をしているのよ。ブリッジに来なさい。重要な報告があるわ」

工藤亜里沙の大きな声が聞こえる。

「出航前点検中だよ。あと一つ迎撃ミサイルシステムの確認をしないといけない」

「そんなの宇宙空間に出てからで良いわよ。艦長命令よ。ブリッジに来なさい」

「ビショップ先生どうしましょう?」

「工藤亜里沙さんは艦長です。艦長命令は重大な意味を持ちます。本来は命令を無視して迎撃ミサイルの始動をさせるべきですが、仕方がありません。ブリッジに向かいましょう」

「はい」

僕はしぶしぶとうなずくとブリッジに向かって歩き出すのだった。

                                 続く 



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