出航準備
「遅いわよ。艦長命令を重視しないと言うのは船に規律、安全に関わあるわよ」
内心で思う。急いでとは言ってなかったのに。今の工藤亜里沙は子供が何か自慢話をする時の様だった。
「急いで欲しいとは聞いていないけど」
「私の様な美少女艦長の命令ならだれでも急いで聞きたくなるでしょう?まぁ良いわ。開いている席に座りなさい。船外作業要員の席はブリッジにはないからね」
「分かったよ」
そう言って僕は開いている席に座る。
「重大発表よ」
「・・・・」
僕達は無言で工藤亜里沙を見ていた。
「今度の訓練航海は海賊に対する紹介活動を兼ねる事になったのよ。海賊を倒して賞金ともらいましょう。航路は変わるわ。ラグランジュポイント4にある、暗礁宙域
の近くを通り、同曜日の一日の間、紹介活動を行い、日曜に帰るわ。必要な航路計算と食料の手筈は綾音にしてもらったわ」
「それって大丈夫なの?」
「別に紹介活動だから、海賊を見つけたら宇宙軍に報告をいれて逃げても良いし、弱ければ倒せばいいわ。初航海で戦闘ってついているわね」
それにしてもラグランジュポイント4か。300年前のクリーチャーの大進撃でラグランジュポイント4にあった、コロニー群が破壊されて残骸だらけになっているらしい。いまだに再建されていない空間だった。ラグランジュポイント言うのは地球と月の引力の中間にあたる場所で、ほぼ静止状態になる空間だったと思う。うろ覚えだけど。
「順平。購買部には話を着けているから、食料を運びなさい。これが必要な書類よ」
「なんで僕が?」
「船外作業要員は力自慢なのでしょう?それともか弱い光帆や紗枝に力仕事をさせるつもりかしら」
「くっ分かったよ」
「分かったら、今すぐ行きなさい。それと艦の備品である台車を使って良いわよ。それと艦長を敬いなさい」
「分かりました、艦長」
内心では艦長を認めていない自分がいる。しかし、航海となると規律を重んじ艦長の命令に従わねばならない。生き延びるためだと強く自分に言い聞かせた。
僕は備品倉庫に席を立ち備品倉庫に向かった。
歩きながら書類に目を通す。3日間の航海だから、一日三食で4人分だから、一日の食事は12食、それが三日なら36食、すべて固形のレーションだった。それとエネジーブロックと言われる非常食が二週間分で164食だった。それと飲料水が2リットルのペットボトル12本だった。水は別に船に投資委されるから一日の上限2リットルで良いのだと思う。何往復かしないといけないなと感じていた。そして僕達の航海が始まりを告げようとしていた。
続く
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