夢への道標
如月李緒
プロローグⅠ 旅行の思い出
小学校の修学旅行。
色々あったはずなのにほとんど思い出せない。
写真も残っていない。
そんな悲しい現実。
中学校の修学旅行。
私は北海道の函館市にいた。
友人らとともに自主研修を満喫した。
しかし、今ではほとんど覚えていない。
写真を撮ったはずだ。
そう思ってアルバムを開くが、枚数は少なく、どれも風景ばかり。
高校の修学旅行。
京都や大阪、そして東京に行った。
しかし、台風直撃。
気の合う仲間との自主研修で、時間が足りないと感じたことは覚えている。
高校の修学旅行の写真。
やはり、風景ばかりだった。
人が写っているものはあるが、とても少ない。
風景の写真ばかりたくさん。でも、この頃は写真にこだわるようになっていた。
大学に入ってから友人と繰り返した旅行。
仲間達の休日を照らし合わせて計画をたてた。
回数は多く、枚数もそれなりにあったが、やっぱり人はあまり写っていない。
1つあった変化といえば、食べ物等の写真もあったことくらいだ。
写真を撮るのは好きなのに、私のアルバムに人が写っていない。その理由は1つ。写真を撮ると次は私も写るように言われてしまうのが嫌で人を被写体にすることをやめたからだ。
その結果、アルバムの8割以上が人が写っていない写真で埋まってしまっていた。
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