キャラクターって?

キョウペイ

命運 始まりと終わり

 命運



 遠くの方に、青白い光が見える。

 視界の中には、その光以外に景色は存在しなかった。真っ白な世界の中、遠くに青白い光だけが存在していた。

 あれは何なのか。その正体には、まるで思い至らない。

 希望、のようにも見える。

 絶望、のようにも見える。

 始まり、のようにも見える。

 終わり、のようにも見える。

 その光の正体は分からない。だが、その青白い光は、徐々に大きくなりつつ、こちらに近づいてきていた。やがてその光は、全身を包み込んでいった。

 その時、優しそうな女性の声が聞こえてきた。


「……この世界を、嫌わないで」


 そう言った気がした。女性の声はさらに続き――。


「……キャラクターを、嫌わないで」


 キャラクターを嫌う……? なぜ? なんでキャラクターを?

 意味が分からなかった。そうしているうちにも、身を包む光はその強さを増していく。

 再び、女性の声。


「……あなたを、嫌わないでください」


 その瞬間。

 自分という存在は、跡形もなく消え去った。

 そう思った。

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