窓際

窓際にて、すずめが羽を休めたり

女らしい爪を引っ掛けて


やがて、すずめ、啼きたり


我、叫びぬ

「彼女は敬虔な信徒であった!どこまでも純潔で美しく、神の恵みを一瞬たりとも忘れたことは無かった!」


すずめ、窓際にて、笑いたり

「お前に何が分かるというのだ!答えてみよ!その微々たる脳で、我に答えて見せよ!なぜ彼女は死んだのだ!」


すずめ、ただ、笑いにけり

「胸が引き裂かれる思いだ!すずめよ!なぜ私はお前の声を聞けないのだ!」


やがて口を開きにけり


美しい声音、響くのみ


我、ただ、泣きにけり

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る