163話
~ ??? ~
ゾルはヤクモを捕らえた後も、個人的な都合だけではなく身内からも悩まされる事になる。
落とし前をつけ、周囲の連中も黙らせる。
それで煩わしい事は一つ終わると、そう思っていた。
「んほほ……。のほほほほ!!!!!」
ゾルは、久しぶりに戻った家。
正確には、父親が居るはずの広間にやってきていた。
だが、そこには父親は居らず、その奥から女性の嬌声と共に色に耽った声が洩れている。
「チッ……」
ゾルは昔でこそ父親を尊敬していたが、今となっては俗物に成り果てた父親を尊敬できるはずも無かった。
かつて白銀狼がヘルマン国の族長として、王として国を纏めていた。
当時はまだ戦いに己が赴き、倒した敵の返り血を誉れの化粧として帰ってきていた父親を誇らしく思っていた。
だが、何時の日か彼の父親は血を纏う事が無くなった。
数度は血の匂いを残しながらも体を清めてはいたが、今となっては血ではなく色の匂いしかしない。
愛想を付かした妻は表向きは平静を装いはしたが、不満を隠せなかった。
そして何時の日か、父親から家を出て行ったと告げられたきり会っていない。
ゾルにとって、力をつけるという事は母親を探すためでもあった。
この国に居るのか、それとも出て行ったのかすら分からない母の為に。
だが、数年も外をぶらついて子供の時のような考え方が出来なくなってくると、なんとなく悟っていた。
母は生きては居ないのだろうと。
「ん? 帰ったのか、ゾルザル!」
舌打ちが聞かれたのか、あるいは酒と色に溺れていても息子の匂いを嗅ぎ取ったのか。
奥の閨から父親の声が届いた。
そして、腰に申し訳程度に巻物をして下を隠した父親が酩酊した様子や先ほどまで女と交わっていた様子も隠さずに出てくる。
チラと覗き見た奥に、数名の裸体の女が居る事がゾルを余計に苛立たせた。
「あぁ、オヤジ。ツアル皇国でのお手伝いと、ちょっとしたオマケで遅くなっちまった」
「報告には聞いてるぞ。また大層活躍したようじゃないか。ツアルの連中にも幾らか恩を売れただろう。またこれで食料でも見返りに貰える事間違い無しだな」
「……だろうな」
ヘルマン国の情勢は、ユニオン共和国に比べればこそ明るいものだが、食事情だけは芳しくなかった。
それは獣人が狩猟に特化した種族であり、人類のように農耕だのと言った事柄を嫌うからであった。
人類の真似をして幾らか牧畜だの家畜だのを飼いだしてはいるが、肉ばかりを供給しても仕方が無いのだ。
そして、ツアル皇国は幸いなことに旧世界の遺産として自動農耕をしてくれる設備が存在し、食料のみで言えば他国に輸出しても問題が無いほどには生産されている。
故に、ヴィスコンティやユニオン共和国、神聖フランツ帝国がそれぞれの理由でツアル皇国の援軍要請を黙殺し、誤魔化している中で唯一”同胞”として助力しているのがヘルマン国であった。
獣人の戦力を借りている事や、近年英霊が召喚された事も踏まえてツアル皇国の戦線は安定している。
その見返りとして、獣人が生産していない食料などを貰い受けているのであった。
だが、父親の言い方はどこか”犬”のようであり、息子であるゾルにはそれも不愉快だった。
「疲れただろう? 腹は減ってないか? 部屋は常に綺麗にさせてあるし、必要なら風呂だって──」
「悪いな、オヤジ。取り巻き連中とちょっと話ィ付けて来なきゃなんネェんだわ。家に顔を出したのは、報告だけじゃオヤジも心配するだろうと思ってナ」
「親想いな子に育ってワシは嬉しいぞ。そうだ、何か必要なものは無いか? 金は? お供は? 長旅で女も……」
「オヤジ。必要があれば、オレさまの方から言いに来る。少しは自立や独立の為に自力で何とかしテェんだよ」
「そうかそうか……。だが、遠慮はするなよ? お前はワシの息子なのだからな」
ゾルは、饒舌な父親の話を少しでも短くするべく努力しなければならなかった。
それは老いを隠せぬ父親にやってきた、遅まきながらの親バカっぷりに付き合いきれないからだ。
そして最終的には、女を結び付けてくる。
ゾルには辟易する物事だが、父親のように酒と女の両方に溺れるつもりは無かった。
酒を飲むにしても溺れない程度に、女を楽しむにしても一晩限り。
ツアル皇国との付き合いが多くなった中で、ゾルにはそういった思考の芯が形成されていた。
「オヤジ。仕事はしてるのか?」
「あぁ、あぁ……勿論だとも。今日も綺麗に仕事を片付けてやったわ、ヌワハハハ!!!!!」
父親の言葉を聞きながらも、ゾルは広間にまた血の匂いと色が床や壁に幾らか染み込んでいるのを見てしまう。
そして、新しく出来た傷を見れば”仕事をした”という言葉がほぼほぼ嘘だという事も。
様々な案件が持ち込まれ、その解決の為に色々言われ、癇癪を起こしたのだろう。
物を投げ、相手を殴り、感情に任せて仕事を全て下っ端押し付けたのだ。
酒に酔えば丸みを見せる父親であっても、酒が抜ければ短気な男でしかない事をゾルは知っていた。
そして、子供ではなくなったゾルには父親がどうやって族長の座に収まったのかも知っている。
人間に物怖じしただの、腰が引けて居ただのという”攻撃しやすい口実”を用いた。
それにより、人類に対して穏健派であった前族長は排除された。
それが正当であれば、あるいは……過去に比べて改善されているのであればゾルとしても文句はなかった。
だが、そんな事はない。
むしろ、ツアル皇国の人間や傭兵を除き、人類への憎悪と排外主義が蔓延ってしまった。
自分たちが、元々魔物の一員だった事を忘れて……だ。
父親の蔓延らせたものは国を死に追いやると、ゾルは感じていた。
たとえヴィスコンティの連中が民を攫おうとも、ユニオン共和国が服従を求めようとも。
結局、文明も文化も技術も無い獣人が生き延びるには、人類と歩調を合わせねばならないのだと。
だが、ゾルのそういった願いは全て退けられた。
素面であろうと、酔っていようと……対応の仕方が違うだけで、拒絶に他ならないのだから。
「……そろそろ行くゼ? あまり待たせると悪い」
「あぁ、そうか。もう慕われてるとは、父親として鼻が高いぞ」
「そりゃ、どうも……」
もう良いと、子としての義理と義務は果たしたとゾルは立ち去ろうとする。
だが、背中を向けるとその肩を後ろから掴まれる。
「な、何だよオヤジ」
「……臭う、臭うぞ。人間の匂いだ……!」
「そりゃ、ツアル皇国に行って一緒に仕事してたンだから、臭って当たり前だろ……」
「いや、そうではない。匂いが、濃い……。どこかで一緒に居たのか?」
「……オレが傭兵やってるのは知ってンだろ? 道すがら一緒になる事だって有る」
「傭兵か、ならず者が……」
そのならず者と同じような生活をしているのは、誰だ?
そんな言葉を飲み込む。
父親でなければ、かつての勇ましい姿さえなければそんな言葉さえ口を出ていただろう。
だが、それが出来ないゾルは己を恥じた。
若さゆえに、無知ゆえに、父親と敵対する事で将来どうなるかが想像付かずにいた。
竜を相手取った時や、古代都市に地面ごと飲み込まれた時よりも、ゾルはその方が恐ろしかった。
── 敵じゃない相手と、戦うことが恐ろしかった ──
「だが、待て。その相手とはつい最近……ここに来るまで一緒だったンだな?」
「あぁ、そうだ」
「──なら、少しは楽しめるな」
「は? オヤジ、なにを……」
ゾルの父親は一人でニヤリと笑みを深めると、再び奥へと引っ込んでいく。
その表情を見て、ゾルは嫌な予感がした。
だが、それを自分の嫌悪であると……。
彼は断じた。
~ ☆ ~
『さあ、今日は良く集まってくれたな! オレサマ、ゾルザルが今年もまた特等席でテメェらの試合を見させてもらうぜ!』
さあ、始まった……。
諦めながらも心臓の鼓動はやかましいくらいに響いている。
待機室に居るのだが、首輪付でも周囲は獣人だらけでどうにも居心地が悪い。
「おい、なんで人間がここに居るんだ?」
「ちょっと、事情がありまして……」
「神聖な戦いを穢しに来たのか? それとも、自殺でもしに来たのか?」
「いや、その……ゾルザルに騙されて、ここに突っ込まれたというか……ですね?」
「そんな訳が──」
獣人に詰め寄られながら、必死に言い繕う。
事実でありながら嘘だと思われているようだが、遠い場所から響く声にそれは止められる。
『さて、今回はちょっとしたオレサマからの趣向がある。組合で面白い人間を見つけてきた。だが、ソイツはどうにも実力はあるが、戦いたがらない。さぁ、テメェらに一つ聞きたい。力とは隠す物だったか?』
『『『『『否! 否! 否!』』』』』
『では力とは、牙とはなんだ!』
『『『『『我等が獲物を屠る力!!!』』』』』
『そうとも! だが、残念な事にソイツは突いても追い込んでもオレサマと戦いたくないらしい。だから、こうする。確かに人間ではあるが、オレサマは面白いと思ってる。だからテメェらも戦いぶりを見て面白いと思ったなら、是非金でも投げつけてやってくれ。飯でもいいぞ? ソイツは酒も大好きらしいからな! そしてオレサマは、ソイツが”個人戦及び団体戦”のどちらでも勝ち進むと思ってる! 控え室に居る野郎どもは手ェ出すんじゃネェぞ! 首輪をした、情け無さそうな男がソレだからな!』
「……ほらな?」
「──……、」
ゾルのスピーチが響いてきて、今にも喉元を食いちぎりかねないくらいに接近していた獣人は、ソロソロと離れる。
それにホッとしながらも、個人戦と団体戦とか聞いてないぞと悩む。
「……あ、あの~。出来れば、個人戦と団体戦の違いを誰かご教授願えませんかね? マジで、放り込まれて何にも分からないんですけど」
しかし、残念ながら胡乱気な目で誰もが遠ざかる。
……そして気がついた、自分がただの疫病神と化した事に。
ゾルの言葉で庇護を受ける事は出来るが、周囲の連中からしてみれば”身体能力面で劣る、卑劣な人間”でしかない。
足を引っ張られたくないし、巻き添えで被害をこうむりたくない。
その結果がコレである。
「あ、あの~。せめて……今から始まるのが個人戦か、団体戦かだけでも……」
「チッ……。個人戦だよ」
「あざます!」
何も知らないで居るよりはありがたいと、少なくとも”Free for All《生き残れ》”じゃないだけマシだ。
「てか、オマエな。死にに来たのか? なんで決まり事知らネェんだよ」
「ゾルに首輪付けられて突っ込まれたばっかりなんだよ……」
「ふぅん……。動きづらそうな格好にしまらネェ面、武器は剣一振りとか終わってンな」
「ほっとけ、自覚してるわ……」
ゾルのトークが終わると、一人ずつ試合に呼び出されていく。
その中でもゾルと一戦交わした人物はゾルによって色々と言われている。
そうじゃない面子に関しては本来のナレーターが居るみたいで、その格差が強者とそうじゃない人物を意識させる。
『よぉう! エクスダス! 去年の冬以来だな。会いたかったゼ? 聞いた所では、オマエも竜を狩ったみたいだな、強くなったみたいで何よりだ。戦えるのを期待してるゼェ!』
『アイン! 春は惜しかったな。あれ以来鍛えてるって話だが、今回は疲れて武器を落とすだなんてコトはしないでくれよな!』
ゾルの奴、全員の事を覚えてるのか。
……そりゃそうか、直接会ってるわけだし、勝ち上がればそれだけ印象に残るもんな。
王子だと言うのもあるだろうけど、それ以前にゾル自身が強者であの位置に居るんだから当たり前か。
ただ、待機室は一緒くたに待たされるくせに外の様子は一切見えやしない。
対になる場所から相手選手も出てきているようだが、試合が終わった時の勝者と敗者は帰り方で直ぐに分かる。
勝っていればどんなに傷だらけだろうが誇らしげに戻ってくるが、負けていれば歯をむき出しに悔しそうに戻ってくる。
そうでなくとも、進行の支援をしている連中に”後片付け”のように両脇から抱えられて通過していった。
そうやって舞台が掃けると、司会者が進行させる。
一人が出て行き、入れ違いでもう一人が戻ってくる。
ステージが幾つかあるようで、参加人数が多い為にブロックを幾つかに分けて行なうようだ。
つまり、今日戦えば数日は別ブロックの進行で休む事になる。
そして、勝ち進めば勝ち進むほどにブロックは減って行き、休みの無い連戦を余儀なくされる訳だ。
「おい、
「腕の一本でも、無くさなきゃいいな?」
「おっちぬなヨォ!」
「うるせぇな!!! 行って来るよちくしょう!!!!!」
『ダイチ? おい、ダイチ!!! 無理やりで悪かったのは謝るが出て来いっての! オレさまが直々に引っ張り出してやってもいいんダゼ?』
「I'm coming! Shit...《今行ってるよ! クソ……》」
ゾルに急かされ、残っている待機室の獣人に追い立てられて半ばやけくそになって出て行く。
舞台までの道のりが長く、しかも最悪な事に今までで一番ズタボロになった敗者とすれ違ってしまう。
……生々しく顔面に付けられた切り傷は、その下の眼球が無事では無さそうだと教えてくれる。
唾を飲み込んで、熱気の篭った場所へと向かう……の、だが──。
「あ~、やっべ……」
観客が敵とか、今までの人生の中でも一番ヤバイ。
乱取り稽古とかとは違う、気分しだいで邪魔すらされうる可能性があるのだ。
温まっていた筈の場が、人間というまったくの場違いな人物によって冷えていくのを感じた。
その瞬間、ただの個人である自分が対人衆目の前に居ると言う事実を思い知らされる。
何も無い、何も持たないただの一個のヒト。
誇れる物も無く、出来る事よりも出来ない事の方が多すぎて何をしゃべればいいのかすら分からないオタク。
「うっ……」
学園に居た時は、まだ使命感に溢れていた。
約束をしたから、頼まれたから、その方がその人物のためになるから……。
自分のためじゃない、誰かのために行動できたからこそ怖気づいたりはしなかった。
だが、今は違う。
自分の為にやらなきゃいけない、自分の想いの為に行動しなきゃいけない。
そこには、先人から教わった物も無ければ道も無いのだ。
何のためにそうするのか、何のために訓練をするのか。
そういった……多くのヒトによって舗装された道じゃ、ないんだ。
『さあて、ビビっちまったか? ようこそ! これぞ人間連中ニャ認めて貰えネェヘルマン国の心臓部よ! 多くの連中が強さを求め、あるいは、弱者である事を否定するために沢山の血汗を染み込ませて来た。逃げ場はネェぜ? キョーダイ! オレらの誇りを踏み躙って逃げるか、正面から立ち向かうか選びな!』
「選択肢の無い選択肢ってのは相談じゃないって、神官ちゃんもいってたろ……」
残念ながら、ゴブリンをスレイするほどの猛者でもない。
……沢山の作品を見て憧れては来たけれども、憧れは憧れでしかないのだ。
結句の所、知識を識る事が賢さではないように、どれだけ技術を知り会得したとしても……。
強くは、なれないのだ。
全てが先ず、心の有り様で決まってしまうのだから。
「グフフ……。こいつァツイてる。不戦勝と同じだな!」
「そんな、まるで将棋だなみたいに言われましても……」
「人間がここに何の用だ? 腕試しか? それとも馬鹿にしに来たのか? 言っとくが、オレサマは容赦しネェからな」
そういって、相手の獣人は牛刀のような大きな獲物を逆手で振るう。
片手でも風斬り音が鳴り響き、離れていても風圧が伸びた前髪をくすぐる。
今までは本格的に殺しに来るような獣人とは相対した事が無かったけれども、これだけでもかなり脅威を感じる。
自然と、唾を飲み込んでしまった。
「グヒヒ、逃げるなら今のうちだぜ?」
「マジで? じゃあ、お言葉に甘えて──」
クルリと、一度ばかり背中を向けた。
だが、目の前でガラガラと鉄格子が下ろされて戻れなくなってしまった。
「ヒヒ、一足遅かったみたいだな? 大人しくオレサマにブチのめされな!」
「いやぁ、それは勘弁願いたいな……。第一、獣人って凄いんだろ? ゾルと一緒だったけど、本気の獣人とか想像つかねえし……」
「てか、剣も満足に振れネェんじゃネェのか?」
「まあ、我流だけどさ……」
すらりと抜いた剣だが、ゴーレムですらバターのように切り裂いた事を思い出して慌てて納めた。
「あ~、悪いんだけどさ。前に魔物と戦ったときに毒を塗ったまんまだったんだ」
「ザケンナ!!!」
「いや、ごめんて。だからさ、鞘に収めたまま戦うよ」
「それもナメてんだろ!!!」
「どうしろと……」
『さあ、いい具合に言いあってんナ? だが、そろそろ前座は終わりだ。オレの見込んだ皆の大っ嫌いな人間ヤローと、ずっと前にオレに初戦で負けたガリエラのどっちが勝つか! そろそろ、幕開けと行こうや』
開けんな、そのまま閉めてくれ。
そう思いはしたが、溝に沈んだ心とささくれた気持ちの中に遠くから声が聞こえてくる。
「お~、ダイチか! 見ないと思ったらこんなトコに居たんだな。頑張れよぉ!」
「知ってるのか?」
「前に滞在してた村で傭兵課業仲間だったんだよ。仕事っぷりが丁寧な奴でさ、脱輪した荷馬車の修理や溝にハマって動けない所を助けたりと、結構色々やってたんだぜ?」
「そんな人間が居るってのは噂では聞いたが、アイツがか? 随分頼り無さそうだが」
「やるときゃやる男だろ。ただ、そのやるまでの腰が随分重いやつでさ。ただ、獣人だとかそういう偏見は持ってない奴だな」
「マジかよ」
「一緒に飯も食ったし酒も飲んだ、寒い中警邏もした仲だ、間違いないって」
声のした方を見て、ギリギリと歯を食いしばって相手を見る。
すると、確かに一緒に仕事をした優男が居た。
相手も自分が見ている事に気がついたのか、軽く手を振ってくれる。
唾を飲み、軽く頷いてから手を振る。
……なんか、意図しない結果だけれども仕事を真面目にやっていた事がここに繋がった。
溜息のような声が洩れて、それから鞘のフックの上から巻きついている布を更に固めて剣を抜かない事を示した。
「こうなりゃヤケだ。かかってこぉい!」
「ハハ、そうこなくちゃな! だが、キサマにオレサマが捕らえられるかな! 暴風のガリエラの健脚は人間ニャ早すぎるじゃらナァ!!!」
そう言って、相手の姿が掻き消えた。
いや、早すぎて足が地面に付いた瞬間しか捉えられないのだ。
アルバートやアイアス、ロビンといった連中と組み手をしてきた事で慣れたつもりだったけれども、上には上が居た訳だ。
「もう少し遅くならねえかな……。これじゃ攻撃できないんだよなあ……」
しかし、この狂った紅い目はそれでも急速的に目を慣れさせてしまう。
初めてアイアスやタケルを見たときのような速度にまで落とし込み、全く想像も予想も付かないと言う状態からは抜け出させてくれた。
点ではなく、先見から来る認識の先送り。
行動を予測した視線移動で素早い相手でも徐々に見えるようにしていく。
格闘訓練で、至近距離におけるナイフや蹴り、掴みや殴り等の全てを対処すると言う訓練を思い出す。
レンジャーに行った二曹のやっていた物で、訓練と言うよりかは個人間で教えてくれた事だ。
大きな動作には予備動作から予測線もが大きくなりがちで、これ自体は読めるようになれば防げると。
「オラオラオアラオラ、どうしたぁ!!!!! 人間ニャ捉えられネェだろぉ!!!!!」
確かに素早い、素早すぎて今度は身体の方が追いつかなさそうだ。
認識が出来ても身体が追いつかない、そんなハンデの中で戦える気がしない。
「ハア、ハア……手も足も出ネェか!?」
「くそ、こんなんじゃどうしたら良いか分からない!」
「ヒャヒャヒャ! ゲホッ……」
……徐々に、速度が落ちていく。
思考し、対策を考え、戸惑っている姿はさぞかし無様だっただろう。
しかし、なんというか……その無様さを楽しむあまり、自分の疲労を考えないってどうなの?
「ゼェッ、ゼェッ……」
そして、数分後には地面にうずくまって吐きそうなバカがそこに居た。
「そいっ!」
「ホゲェェェ!!!!!?」
鞘で殴り上げ、腹ばいに倒れた所を腕を極めて無理やりに膝立ちにさせる。
「ほ~れ、無理すると腕が折れるぞ~?」
「フザケルナ! そんな訳が……」
さて、自分もマスクウェルに変な改造をされたチート人間である。
更に持て余し気味になった身体能力で拘束している腕で、無理に暴れるとどうなるか?
バールを突っ込まれた状態で、テコの原理が働いた場合のドアの末路と思っていただければ分かりやすいかもしれない。
固定する事に全力を注いだせいで、コンクリートに半ば埋まった木の枝に力を加えるに等しい。
結果……。
コキャキャッ──
「ギャァァアアアアアッ!!!!?」
「えぇ、マジで動きやがったこいつ……」
腕を拘束してる中で無理やりに動けば関節が壊れたり、筋繊維が傷つくんだけどな……。
というか、これってもしかしなくても”小ざかしい事をしている人間”になるんじゃ?
力で勝負だ! って場面で、疲れた所をぶん殴って技で黙らせただけじゃん。
「かっ、肩がブランってなってんンゾ!? ブランって!!!?」
「あ~、待って待って。嵌めなおすから。というか、マジで動く奴があるか」
「ハメるってなん──」
「ほい」
「ギャァァァアアアアアッ!!!!!?」
こいつ、もう何をしてもうるさいし騒がしい奴だな……。
「てか、勝負しにきたンだよな!?」
「いやぁ、勝てば良いかなって」
『お~い、テメエらなにやってやがンだ? ガリエラ、昔っからバカなのは変わンネェな……』
「うっせぇよゾルザル! まだ……まだこれからだろうが!!!」
『バァカ。オマエ、わかってネェだろ。今ので拘束じゃなくて首に刃物だったり、背中刺されてたらどうなってたンダよ。戦いにはちったぁ頭使えって毎度言ってるだろうが』
「知るか!強けりゃ、勝つのが当たり前だろうが!!!」
『いや~、どうだろうなあ……』
ゾルの煮え切らない態度が困惑する場と同化していた。
それもそうだろう。
もうちょっと自分も腕の一本が本気で吹き飛ぶような戦いを想像していたのだが、これはなんだか……違う。
『まあ、仕切りなおしだ。それでいいよな? キョーダイ』
「自分は構わないぞ~? このままじゃ、たぶん皆が納得しないだろうし」
「今度は同じようには行かないぜ!」
そう言って、また同じように自分の周囲を高速移動しだす。
緑川ボイスで「バカの一つ覚えだな」という冷淡な評価が再生されたのだが、自分もそれを否定してやれなかった。
「ずりゃぁぁあああああっ!!!!!」
だが、実力自体は本物である。
まずいのは思考力皆無な戦い方だけで、筋力や膂力、速度は全て素のものなのだ。
鞘で牛刀を受け止めるが、ズゾゾゾゾと足の裏で土を削りながら滑っていく。
数メートルほど下げられた事実に、これ強化無しチートのみだったら終わってたんじゃないかと言う確信すらあった。
「くそっ、重ぇ……」
「ヌヒャヒャ! どうだ。これがオレサマの実力って奴だ! 次で──」
「いや、次とかもう勘弁」
鞘を蹴って再び間合いを取ろうとする相手を、魔法で即座に拘束する。
キネシスのように相手を掴み、引き寄せて顔面を掴むとそのまま思い切り地面へと叩き付ける。
再び、戸惑いの雰囲気で場が満たされた。
誰も何も言わず、引き倒された相手は白目を剥いてピクリともしない。
少し怖くなって脈拍を測ったが生きているようなので良いのだが、判定すらして貰えないとか虐めのようである。
「えっと……」
『おっと、ここでダイチの魔法が炸裂ダァ!!! オマエら見たかぁ? 詠唱無し、杖も何も無しで魔法に強いはずのオレタチに魔法をコイツは叩き込んだゼェ! しかも、人間のクセに地面に叩き付けただけでヤツぁのびてる! どうだ、面白くはないか!?』
……そのゾルの言葉は、その日を全く以って大変な一日にしてくれたのは間違いない。
人間であるという事でバカにしていた連中が、次の戦い以降全員が初手で殺しにかかってきた。
『第二戦も、勝者はダイチだぁ!!!』
なにが勝者だと、息を切らしながら痺れる手と疲労感のなかで突っ込みを入れずにはいられなかった。
棍を自在に操る力と速度で勝る相手に、大分防戦必死だった。
それでも何とかなったのは、幾らか魔法を織り交ぜる事が出来たからだ。
前までだったら……魔法は魔法、戦闘は戦闘で混ぜる事なんて出来なかったと思う。
タケルやアイアスのおかげだ、感謝しないと……。
『二回戦はどうなる事かと思ったが、どうやらまたもや見込んだ男がやらかしてくれたぜ!!!』
もう、思考も途切れ途切れになってくる。
巨躯でパワーガン振りな相手に、武器や立ち回りなんてもはや意味を成さなかった。
となると、必然的に張り付くか距離を置くかの二択しかなく、最終的には股の間をスライディングしてから背中に張り付き、頭を殴打して昏倒させる事ができた。
体力がどうとかじゃない、文字通り”人間には過ぎた相手”でしかない。
こんなの、見下されて当たり前だろ……。
それでも何とかなるのは、獣人の連中は幾らか頭を使った戦い方をしないでくれているからでしかない。
力押しや能力でそのままぶつかって来る相手なら、いなしたり回避したりと……やりようはある。
『三回戦目は、大分ヒヤヒヤさせてくれたな? 良い戦いだった! だが、ここでもまた勝ったのはダイチだ! ほら、そろそろホメてやれよ。少なくとも、一戦目と違ってちゃんと戦ってるだろうが。それとも、肉体的に劣ってるはずの相手を認めるのは癪か?』
さん……開戦目。
自分も、獣人を甘く見ていた。
今までぶつかってきた相手を見て、獣人そのものの評価をするだなんて……。
今までのは、言ってしまえば適度に魔物を倒すような、言ってしまえば傭兵の中でも崩れのような相手でしかなかった。
しかし、三度目になってぶつかった相手は、文字通りの”狩人”だった。
自分を動かす事よりも相手を動かし、そして己の望む位置に相手を落とし込み……狩るというスタイル。
持ち込めるものは何でも使えると言う特性上、有利になる相手もいるという事を分からずにいた。
嫌がる事は何でもやれと言う教えをそのまま実行できる相手が居て、それが自分に近かったが為におびき寄せられる。
煙幕を焚かれ、突っ込めばベアトラップで片足を食いちぎられかけた。
だからといって動かずに入れば精密な矢によって射抜かれかける。
初めての、大負傷だった。
それでも勝てたのは、見よう見まねで魔法の設置罠を咄嗟に作ることを思いついたからだ。
某錬金術師のように手で触れた場所にしか設置できなかったが、それでも自分が何をしたいかさえ想像できればそのとおりになる。
相手を突風で真下から吹き飛ばして、トラバサミの解除を無視して電撃の矢で追撃する事にしたのだ。
しかし、相手はそれでも冷静だった。
空中に吹き飛ばされて侭ならないと悟ると、そのまま空中から矢を放ったのだ。
その矢が鎖骨をぶち抜いて心臓の手前で止まる。
その代わりに、こちらは相手を痺れさせて動けなくした。
……ハズだった。
痺れながらも立ち上がろうとしたのをみて、片足をズリながら近づく。
入らない力で引かれた弓と放たれた矢はそれでもわき腹に突き刺さる。
そして、第二の矢を放つよりも先に殴りを入れて辛うじての勝利となった。
『さあ、今日の最終試合の行方はどうなるか分からなかったろ? 互いに出来うる限りの事はやったはずだ。だが~? この第一枠の中で勝ち残ったのは、ダイチだ! 予想できたかァ? ツアルの連中でもここまでやるのは早々居ない。次にコイツが出て来るのは四日後、四つの枠の勝者が並んだ時だ! それと、他には団体戦にも出す予定だから面ァ覚えとけよ?』
「マジか……」
最終戦は、もはや戦いというよりはただの死闘でしかなかった。
傭兵の中堅所といったところか、道具だの何だのと色々使ってくる。
痺れ薬を混ぜ込んだ局所的な煙幕、毒の塗りこませた投擲短刀、距離感を狂わせるような糞等を練りこんだ炸薬などと大分悪辣だった。
個人戦よりも集団戦しか学んでないし、訓練していない自分にとっては大分苦手とする相手だった。
それでも合間合間に魔法で自己治癒を施しながら、最後の最後に近接での結び合いになった時はもうダメかと思った。
殴られ、蹴られ、投げられて、どうして俺がこんな目にあわなきゃいけないんだとずっと考えていた。
けれども、考えた所で目の前の現実が消えてなくなる訳じゃない。
回復も忘れ、ただただムカっ腹のみによって相手をボコボコにすると決めたのだ。
奇跡の一手は、相手が振りかぶった時にゲームの事を思い出した。
飛び回転廻し蹴り、相手の手ごと思い切り蹴り抜いた事で武器は思い切り弾き飛ばされ観客席間近に突き刺さった。
そして胸倉を掴み、そのまま押し倒すようにして馬乗りになる。
あとはただの両手による往復での殴りだった。
相手が意識を失ったあと、毒だの麻痺だので倒れこんだ後に待ち受けていたのはブロック勝ち抜き確定と言う報告である。
先に手当てを受けた対戦相手が解毒薬などをくれたので、それで回復をしたがもはやズタボロでやる気なんて無かった。
ほぼほぼ満身創痍な中、身体を引きずって待機部屋に戻るとゾルによってすぐさま隔離するかのごとく地下牢へと戻された。
「よう、キョーダイ。生きてるか?」
「心臓が動いてるっていう意味だったら、生きてるな……」
「やっぱ、スゲェじゃネェか! 無理矢理つっこんだ甲斐があったってモンだ!」
「お前さ、結構傷だらけになってるのを見て、笑って背中叩くの止めてくれませんかね?」
ベシバシと背中を叩いて心底嬉しそうにしているゾルだが、背中を叩かれている自分としては溜まったものじゃない。
解毒や麻痺の解除もしなきゃいけないし、その上で負傷箇所の手当てもしなきゃいけない。
システム画面を開くと、骨折だの皹だの間接外れだのと色々表示される。
背中を叩かれる力が強すぎて、その度に「傷口が開きました」だの「出血の勢いが増しました」だのと、やってられない。
魔法で回復出来ないものに血液が含まれる。
出血しすぎると、以前マリーを助けた時のように深刻な血液不足を引き起こしかねない。
それだけは絶対避けたい。
「まあ、聞けよキョーダイ。今日オマエさんが頑張ったおかげで、身近な連中は幾らか認めてきてる。少なくとも、連中は否定できないだろうさ」
「どういう意味だよ」
「いいか? 人間ってのは、獣人からしてみりゃ魔法と狡賢さ以外じゃ何の取り得も無い連中と言う認識が殆どだ。ツアル皇国のヤツはヤロー連中は強くなければ男じゃないとして、幾らかは気になるがな。だが、オマエさんは今日ひ弱で歯牙にもかからんという認識をぶち壊した。その上で、魔法使いなんて群れたり守られなきゃ何も出来ないと思われたたのさえなぎ払ったんだ。どうだ、面白いダロ?」
「望んでそうしたいと思ったわけじゃないんだけどなあ……」
「なんデェ、男だろ? 男なら、自分の評価が良くなった事グレェ喜んだろどうだ」
「それで扱いが変わるのなら、それこそ囚われの身じゃないのなら一息くらい吐きたくはなるけど、これじゃあなあ……」
今日の戦闘の結果何が変わったのかなんて、全くわかりゃしない。
ただ、最初は困惑していた反応も、最後には幾らか気の無い拍手くらいにはなってくれてはいた。
つまり、一応だが……変化事態は、しているのかもしれない。
「てか、集団戦ってのはなんだよ」
「今回キョーダイを突っ込んだのは普通の組対組の方だよ。全員敵の生き残り戦だと、全員でオマエさんを狙いかねないだろ? 生き残りで適当に組み分けして、勝ち上がった面々でまた組み分けを繰り返して、最終的にはまた一人だけが優勝するというヤツさ」
「……なる、ほど?」
「団体戦の方が良かったか? 最初に決められた面子で最後まで行けば、その組が優勝ってヤツ」
「お前にゃ今の惨状が目に入ってないのか!? もうこれ以上問題も忙しいのも無しにしてくれぇ!!!」
「ハハハ! まあ、詫びと言っちゃあナンだが、食事と酒は少しばかり豪勢にしてあるからな。何か薬や手当ては必要か?」
「……肉を多めに、味は濃い目に、酒は一本寄越せ」
「よし、それじゃあ今度の出番までに体調整えとけよ」
なにが整えとけよ、だ。
毒と麻痺が抜けて、ようやく傷の治療に取り掛かる。
しかし、傷を全て治すと今度は腹が減って仕方が無い。
服に再生能力を与えておらず、靴も途中で緒が切れたりと碌な事が無かった。
だから、後手後手ではあるけれども、服や靴にも処置をしておく事にする。
そうやって様々な処置をしていると、本当に幾らか豪華な食事が運ばれてくる。
そして運んできたのはいくらか年若そうな獣人の子で、怪我幾らか逆立って見えた。
「その! ゾルザル様から仰せ付かって、食事をっ……!」
「有難う。置いといてくれれば食べるから」
「はっ、はいっ!」
そう言って少年は食事を置いてくれるが、食事に手をつけずに大きく裂けてしまった部分をチクチクと縫い合わせている自分をジッと見つめていた。
「あの、もし宜しければ……聞いても良いでしょうか?」
「ん? なにかな?」
「なぜ、服を繕ってるんですか? その、変な意味じゃありません。ただ、どうしてか聞きたくて……」
「今日の試合で大分痛んじゃったし、このままだと次の試合の時に足を引っ張るかもしれないだろ? だから、自分の行動や可能性を潰さないために縫ってるの」
「ですが、傷を負ってでも勝利を得たんですよね? その名誉の負傷を隠すんですか?」
「……名誉の負傷ってのは、ひけらかす物じゃない、引きずるものなんだ」
「?」
「傷を沢山受けてでも生き延びてきた、勝って来たというのは確かに名誉かもしれない。けれども、その傷を癒す努力をしなきゃただのバカだ。君には、友達や家族、守りたい大事なヒトは居る?」
「はっ、はい! 両親と、幼馴染を」
「怪我をしてもさ、それを見せびらかすために古傷にした結果、いつかあるかもしれない可能性を……。完治していたら救えたかもしれない誰かを、ヒトを、何かを守れないほうがずっと恥ずかしいじゃないか。戦いを誇らしいとは思わないけど、誇る事の為に戦う事は否定しないしね。だから、名誉や名声を得てボロボロになるんじゃなくて、ずっと何かを守ったり得続けるためにボロボロになりたいなあ……なんて、思ってるよ」
まあ、守れなかったんだけどさ。
そう思っていたが、格子越しに少年が手を差し出したのに気がつく。
「何してるんだ?」
「握手、してくれませんか!」
「いやいや、人間だぞ? 後で問題になるだろ」
「ですが、今日の戦いの中で貴方程傷つきながらも誰かを傷つけずに戦ったヒトを僕は知りません! 貴方は、獣人が相手でもその”誇り”の為に戦ったんですよね?」
「……そんな立派なものじゃないよ」
「けど、僕は凄いと思いました! 父と母は誰かを傷つけるためだったら強くなんてならなくて良いと、自分と相手を傷つけて得た誇りは悲しいだけだと言ってました。ですが、僕は貴方のように何かを守りながら戦えたらなと……そう思ったんです! だから、お願いします!」
最初は差し伸べているだけだったが、徐々に少年は手を思い切り差し伸べてくる。
身体や頬が引っかかって痛いだろうに、なぜそこまでするのかと考えてしまう。
「……言ったけど、大したヒトじゃないんだ。だから、後でガッカリするかもしれないぞ」
「ですが、僕はその考えが気に入ったんです」
仕方が無いなと、握手をする。
一瞬だけ……握手をした手を引き寄せられ、その手にナイフが突き立てられるんじゃないかとか考えてしまったが、それは被害妄想だった。
少年は嬉しそうにすると、大きく頭を下げて駆けるようにして出て行った。
その様子を見て、自分も……ああいう時期があったんだろうなと考えてしまう。
けれども、幼い頃の純粋な記憶は埋もれてしまっていた。
今存在するのは、オタクになった理由である「こういう主人公たちになりたかった」という願望だけである。
たとえ不幸でも、傷だらけになっても、記憶喪失になっても……それでも、満足して「良かった」と何かを救い続けられるような主人公に……。
なりたかった。
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