文章に無駄がなく、とてもわかりやすいため、すらすらと読めて心理も状況も展開もはっきり頭に残る。ストーリー展開が引きつけられるものになっており、血肉のある魅力的なキャラクター群も秀逸。とにかく、描写が素晴らしいと思います。遊びと思えるような部分もあり、それは無駄かもしれないが、読んでいて楽しいのでOKでしょう。
ただ当初、殺人を正当化する理論と現実との葛藤がとても説得力があったのだが、その後は殺人万歳的になっていて、思想的に物足りない感じがしてきます。活劇を重視しつつ、もう少しところどころに葛藤を入れて欲しい気がするし、心理描写ももっと入った方がいいような。。
とにかく結末がとても大事だと思います。これからどういうふうになっていくのか、楽しみです。